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キミ・ナンヤネンさんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

整形
短編 2022/06/09 01:42 3,093view
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私の家がある住宅街の外れに、ひっそりと一軒の美容整形外科がある。

医院長の女医(以降「H」とする)が30年前程に開業したという病院だ。

病院には看板が無く、Hと書いてある表札だけの大きな一軒家にしか見えないが、その中は最新鋭の機材が揃っている。

病院を開業してからしばらくは順調だったが、徐々に客が減っていた。

そんな時、10年ほど前になるだろうか、Hはある女性の研究者「O」と知り合った。

博士号を持っていたというOは、某研究所で研究員として働いていた人物だ。

HはそんなOの技術を見込んで業務提携を結んだのだった。

Hが行った施術法は、Oが持つ最新の技術を応用した人工皮膚を使うというものだ。

その人工皮膚は、本来の皮膚に完全に同化するという見事な物だった。

それからというもの、次第にその技術が認められ、病院は持ち直した。

病院の宣伝などは特にしていないからか、大手の病院には行きづらい芸能人も利用している。

しかし、その反面、よからぬ事もある。

その病院を利用している事が分かりづらいという事から、いわゆる逃亡犯や指名手配犯たちもその顧客だったのだ。

その中に、およそ20年前に殺人を犯して駆け込んできた犯人「F」がいた。

Fはどこかでこの病院の事を知り、整形して時効まで逃げようという魂胆だった。

整形手術は成功し、Fはまるで別人として生まれ変わり、時効まで逃げ切れると確信していた。

しかし、思いがけない誤算が生じた。

人工皮膚が徐々に劣化していたのだ。

大雑把に言うと、それは本来の皮膚に張り付けるような施術法だったが、一緒に本来の皮膚もわずかに剝がれていた。

その顔は、整形する前よりも老けて見えた。

人工皮膚の密着性と引き換えに、本来の皮膚にダメージを与え、皮膚の組織を破壊していたのだった。

それまでFはよく繁華街などに出歩いていたが、次第に引きこもりがちになり、最低限の外出しかしなくなった。

しかし、食事のため店にいた僅かな時間で、誰かに素顔を見られたのだ。

指名手配犯の顔写真という物は、テレビなどで多くの人が知るところだ。

結局、店からの通報がきっかけとなりFは逮捕された。

Fは供述で「この人工皮膚が完璧だったら」と繰り返していた。

Oが開発したその人工皮膚は、数年後に「〇〇〇〇細胞」で出来ているという事がわかった。

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コメント(1)
  • 整形して別人になったんじゃないの?
    外食中に素顔見られて通報?
    皮膚が崩れただけで元の顔に戻ったってこと?

    2023/01/22/22:17

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