奇々怪々 お知らせ

不思議体験

黒豆さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

帰宅
短編 2026/06/03 13:40 102view

両親が体験した話です。

結婚して何年目かの冬、臨月の母がこたつでもうすぐ生まれる子ども(私)のくつ下を編みながら、父の帰りを待っていた時のことです。

時計の秒針だけが聞こえる静けさの中、遅いなあ、また麻雀だろうなあと思いながら編んでいたそうですが、気付いたらつっぷして眠っていたそうです。

ふと顔を上げると、いつのまにか目の前にコートを着たままの父が座っていて、じっと母のことを見ていたそうです。

驚いて「いつ帰ってきたの」と言うと「さっき」と言い、編みかけのくつ下を指して「これなに」と聞いたそうです。

母は数日前からそれを編んでいたので、変なことを聞くなと思いながら、お腹をさすり「この子のだよ。コートぐらい脱いだら?」と言うと、父は何も言わず、しげしげとくつ下やかぎ針を触っていたそうです。

(ああ、酔っぱらってる)

と思った母は「またこれでしょ」と言って、麻雀の牌を混ぜる手付きをすると、父はおもしろそうにその手付きをまねしながら「これ?」と言ったそうです。

からかわれていると思った母は「もう。お風呂入ってらっしゃいよ」と言いながら編み道具を片付け始めたそうです。

すると父は立ち上がって脱衣所へ歩いて行き、そのまま風呂場のドアを開けて中へ入っていったそうです。

「ちょっと、着たままじゃないの」

そう言って母が脱衣所へ歩き出した、その時でした。

目の前の玄関のドアがガチャガチャと鳴り、「父」が入ってきたそうです。

わけがわからず呆然としていると、その表情を見た父が「なに、どうした」と言った瞬間、風呂場から

「ギィィヤァァーッハッハッハッハッハッ!」
という笑い声が響いたそうです。

母は腰を抜かしてその場にへたり込み、父は土足のまま脱衣所へ駆け込んで、風呂場のドアを開けたそうです。

するとそこには誰もおらず、土や砂利がばらまかれたように散らばっていたそうです。

両親曰く、その声は「男なのか女なのか、人間なのかもわからない声だった」そうで、 今でもそれだけは忘れられないそうです。

1/2
関連タグ: #お風呂#声#結婚
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。