私が小学校6年生の時に体験したお話です。
私は、同じ県内に住んでいる祖母の所に一人で会いに行くことになり高速バスに乗りました。
祖母が大好きで何故だか無性に会いたくなったのです。
しかし、両親は予定があり行くことができなかったので一人で会いに行くことに。
小学校6年生とはいえ一人で高速バスに乗ることは少し緊張や不安もありました。
大好きなアーティストのCDを聴きながら周りの景色を眺めていました。
その時、停まったバス停からおばあさんが乗ってきました。
特に気にはしていなかったのですが、おばあさんが私の所へ来て、
「隣に座ってもいいかな?」と尋ねてきました。
私は、はいと答えておばあさんは座りました。
バスには空席が結構あったのですが当時の私は特に気もとめていませんでした。
するとおばあさんは私に色々話しかけてくれました。
何歳?一人で来たの?偉いねーと。
私は緊張しながら質問に答えていきました。
とてもにこにこしていて優しいおばあさんでした。
私もおばあさんに質問しました。
おばあさんはこれからどこに行くの?
するとおばあさんは、これから孫に会いに行くんだよ
ちょうどお嬢ちゃんと同じくらいでね。
と、話してくれました。
そうなんだーと私は答えました。
それから色々話しましたが内容はすべて覚えていません。
でもおばあさんはお孫さんの話ばかりしていた記憶があります。
そして、しばらく話をしていると、おばあさんが急に窓の方を見てとまりました。
外を眺めたままじっとしていました。
私は、どうしたの?と尋ねました。
すると、さっきまでにこやかだった表情から一変し悲しそうな顔をしました。
訳がわからずおばあさんを見つめていると、急に下を向き小さな声で何かを呟いていました。
よく聞いていると、残念だ…会いたかったのに…どうして…と聞こえました。
少し恐怖を感じましたが何も言えずただ聞いていました。
お孫さんが欲しがっていた物が8980円だとかそういった感じなのでしょうかね。