舌打ちをする女性
投稿者:イラル (8)
これは私の友人が実際に体験したお話です。
友人が高校生だった頃、友人の先輩から車の免許を取ったのでドライブへ行こうと夜に誘われました。
夜の山道を走っていると、地元でも有名な廃墟ホテルの前を通りました。
行ってみようということになり、廃墟探索をすることになりました。
そのホテルは屋上からの朝日がきれいなことでも有名でしたが、数多くの霊の目撃談も多い場所です。
友人とその先輩達4人は1階から順番に探索しました。
しかしこれといって何も起きることなく屋上へ着きました。
せっかくだから朝日を見ようとそこで時間を潰すことにしました。
すると先輩が、ここで何もなかったから怪談話をしたら何か起こるんじゃないかと言い出したので順番に怖い話をしました。
しかし何も起きず朝日が登り、何事もなく廃墟を立ち去りました。
去り際に先輩があーあ何も起きなかったなーつまんねー幽霊なんていやしないクソくらえ!と吐き捨て車に乗り込みました。
残念がる先輩と友人達…しかしあるカーブにさしかかった時先輩が急にわーと叫びました。
ブレーキが利かない!車内騒然となりそのまま車は車道から外れ激突。ようやく車は止まりました。
友人とその友人2人は軽く体を打っただけでしたが、運転していた先輩は肩を強く打ちました。
救急車を呼びそのまま搬送。
先輩は肩を骨折し入院となりました。
友人とその友人2人は先輩のお見舞いに行きました。
どうやら先輩は、ブレーキが利かなくなる直前に道の端に立つ女性を目撃したと話してくれました。
それが原因かはわかりませんが…そして先輩が入院した初日、夜寝ているとふと目が覚めました。
すると、チッ、チッと音が聞こえたそうです。まるで誰かが舌打ちをしているかのよう。
体を起こした瞬間目の前に女性が立っていました。
あの山道で見た女性でした。
こちらを睨み付けチッ、チッと舌打ちをする女性。
先輩はあまりの恐怖に動けず声も出せずにいました。
その時女性が、チッもう少しだったのにと言いました。
先輩は勇気を振り絞り、何のことだ!お前誰だうせろ!と言いました。すると女性はすごい剣幕でこちらへ向かってきたのです。
そして、死ねばよかったのにと言ったそうです。
ギャーと先輩は叫びそのまま気を失いました。そして気付けば朝でした。
目を覚ました先輩は確信しました。
廃墟で何も起きなかったことに対して自分が言った言葉…きっとあの言葉が幽霊を怒らせてしまったのだと。
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