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不思議体験

たちさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

贈り物
長編 2025/04/01 14:32 1,278view
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私は高校が隣町にあり、毎日バスを利用して通学していた。
人混みが苦手で、何事も余裕をもって行動したい私は少し早めの便で毎日通学していた。
いつもの時間にいつもの席に座り、いつも通りスマホをいじり20分程で到着する駅前のバス停から自転車で10分程走り到着。
毎日、この繰り返し。
ごく普通の高校生にとっては当たり前の光景。
そんな通学路だが、私にとっては普通ではなく毎日が楽しみだった。
その理由は、私がバスを利用し始めてから毎日見るあの女子生徒の存在があったからだ。
いつものバス停から乗り込むと、後ろから2列目の窓際に必ず座っている女性。
制服を着ているので他の高校に通う子だと思っていた。
毎日チラッと存在を確認するだけで私は満足だった。

ある日、教室である噂話を耳にした。
隣町で女子高生が不慮の事故に遭い亡くなり、その霊が出ると。
髪は肩くらいまでの長さで、メガネをかけており、真面目そうで大人しい子だったという。
私は身近なところで可哀想な事故があったんだなとその時は思った。

それから数日後。
私は寝坊をしてしまい、利用客が多い時間帯のバスを利用する日があった。
「うわー…やっぱり、多いな。座れるかな…」と思いながら乗り込むと1つだけ席が空いていた。その席はいつも見る女子生徒が座っている席の隣。
「よかった〜。空いてたー」と思いながら、席に座り一息つくと一瞬だけヒンヤリとした空気が流れた。その後、隣をチラッと見ると、いつも見かける女子高生が座っていた。
「うわ、マジか…この子も今日遅れたんだ。」
驚きと同時にテンションが上がった。
こんな機会はもう2度と訪れないかもと思い、思い切って声をかけてみることに、
「おはようございます。いつも同じ時間に乗っていますね。」と小声で話しかけた。
すると、目線をこちらにむけ、
「おはようございます。」と一言だけ言い、ニコッと微笑んでくれた。
私のテンションは爆上がりでもう何も話しかけることはできなかった。
あっという間に駅に到着し、その後登校した。

その日の休み時間、友人達が話しかけてきた。
「なぁ今日、俺らと同じ時間帯のバスだったじゃん。」

「ああ、今日寝坊したんだ。やっぱりあの時間帯は俺はイヤだな…人多すぎ。」
「そんなことより、お前、今日誰と話してた?」
友人達は1番後ろの席に座っており、私が乗り込んできたのを見ていたという。そして、自分達の目の前の席に座り、話をしてるのを見かけたのだ。
「ああ、いつも俺と同じ時間帯にいる人。誰かは知らないけどたまたま隣になったから思い切って話しかけてみたんだ。」
友人達は不思議そうな表情でこちらを見ている。
「どうした?俺が朝っぱらからナンパでもしてると思ったのか?笑」と冗談っぽく聞き返すと、
「いや、お前の隣、誰も座ってないぞ。」
「は?何言ってるの?」
「いや、だから。お前の隣の席には誰も座ってなかったんだって。」
同じことを言われても理解できなかった。
「お前は知らないかもしれないけど、あの時間帯であの席に座る人いないんだよ。なぜかわからないけど、みんなあの席避けてるんだ。誰も座らない。だから、今日も空いてただろ?それを知らないお前がそこに座ったから俺らびっくりしてたんだ。お前に声かけようとしたら、誰もいない隣に話かけてるし。」
理解できなかった。
「はー?そんなわけない。お前らのとこから見えなかったんじゃないの?身長が低いから見えなかったんだって。」
そう言っても友人達は首を横に振るだけだった。
私は自分自身に言い聞かせた。
「あいつらが見間違えただけだろ。」と。

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