夏の夜、俺は友人のケイタ(仮名)と俺のアパートでグダグダと酒を飲んでいた。
俺「何か面白い事ねぇかなぁ・・・」
ケイタ「ねぇなぁ・・・」
社会人になりたてだった俺たちは、就職するも特に金もコミュ力も無いため、週末にはコンビニで酒を買い込み、こうして宅飲みでただただ過ごすのが習慣になっていた。
ケイタ「あ・・・」
俺「どうした?」
ケイタ「お前コレ知ってるか?」
そう言い、出してきたスマホには、You○ubeの動画が映っていた。
俺「なになに?ゆっく○実況??面白いのかコレ?」
ケイタ「いや、これ観てて思ったんだけどさ、この動画の音声って合成ソフトだよな?」
俺「そうだな。匿名で投稿したい時に使うよな。」
ケイタ「これで音声作ってさ、誰かにイタズラ電話しねぇか?」
俺「・・・・何それめっちゃ面白そうじゃん!」
音声合成ソフトには、有料版と無料版が有り、無料版でも棒読みにならない優れたソフトが多数存在する。
俺達はなるべく怖い声が作れるソフトを探し、それっぽいのを発見。
どんな内容にするか・・・酔いが回った頭で考える。
俺「なぁ、ケイタだったらどんな電話が掛かってきたら怖いと思う?」
ケイタ「そうだなぁ・・・あ、アレだ。ベタだけど、「メリーさん」俺はあの感じが怖い」
「メリーさん」とは、説明するまでもないが「私メリーさん。今○○に居るの」と言い、だんだん自分が今居る所まで近付いてくる有名な怪談話だ。
俺「良いじゃん!あ、でもそれだと、俺らが家知ってる奴じゃなきゃダメだな」
ケイタ「そうだな・・・家知ってる奴・・・」
俺・ケイタ「・・・ナオヤ(仮名)しか居ねぇな・・・」
ナオヤとは俺らの共通の友人で、本当なら今日ここに酒を飲みに来る予定だったが、「明日仕事で使う資料を作る」とかで今日は不参加だった。
ケイタ「あいつの家なら分かる、○○駅から歩いて1キロくらいだったな」
俺「あぁ、確かその途中に○○商店が有るな」
俺達は音声合成ソフトにテキストを入力し、「私メリーさん」の後に「今○○駅に居るの」「今○○商店の前に居るの」「今あなたの家の前に居るの」とそれぞれ入力し保存。
そしてお決まりの「今、あなたの後ろに居るの」も作り、作業は完了。
バレないように非通知で電話し、パソコンから順番に音声を流していきビビらせる作戦だ。
時間は夜9時、まだナオヤも起きてるだろうと、最初の電話を掛けた。
呼び出し音が鳴り、3コール目で出た。スピーカーにして俺たちは音を出さないようにした。
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