山の神を怒らせちゃいけない

俺はパックロッド（小さく持ち運べる釣り竿）を持っていたから、
もう少し上流で釣りをした。
ヤマメが2匹釣れて即座に塩焼き。

じゃんけんで釣った俺が食べれないことになるとは…

まあそんなこんなで遊び疲れ食い疲れ飲み疲れて寝た。
翌朝、オシャンティーな朝食にコーヒー。
最高の気分だった。

冷たい川でひとっ風呂浴びて、いざ帰ることに。
そうだ、ここからが地獄なんだ。

しかし帰りはあっけないほど早く、早々と車に到着。

行きは長くて帰りは早い。よくあるよね。
朝早く出たおかげであんまり汗もかかず。

ところが、メンバーの一人、Hが「スマホ置いてきたかも」と言い出した。

一人でとってこい！と言いたいところだが、
心優しい俺たちは一緒に来たルートを戻り出した。

結局、第一候補だった河原付近に落ちていた。
倒木を飛び越える箇所があり、おそらくここでポケットから出たんだろう。

快適な早朝は既に過ぎ、俺らは汗だくだった。
もう一人のメンバーであるAが、「この倒木のせいで！」とふざけて倒木を蹴った。

少し前に飛び越える、と言ったが太い木ではなく、

直径10cmくらいの細い木。
飛び越える必要があったのはその木が腰くらいの位置に横たわっており、
その木の下には蜘蛛の巣や草が生い茂っていたためだ。

分かる人にはわかるかもしれないが、倒木ってなんとなく折りたくならない？
法律上問題あるとか、ないと思うけどあったらごめんなさい。

俺らは誰の蹴りで折れるかみたいなアホな挑戦を始めた。
汗だくでおかしくなってたのかも。
若干腐ってたのか、10発に満たないくらいで折れた。
Hの渾身のかかと落としだ。

汗だくで謎の達成感。
俺らはそのまま川で汗を流して日陰で涼み、車に戻ろうとした。
時刻はまだ9時ごろ。