電話越しの怒鳴り声
投稿者:イエティ (51)
短編
2022/06/06
19:06
2,037view
土地や山を管理する仕事を主にしてるんだが、先週、とあるじいさんに連絡した時の話だ。
そのじいさんは結構大きい山の一部を保有していて、立地的に太陽光発電だったり農業地として売って欲しいという人が数人いたため、それを伝えるために電話をかけた。
80歳を超えたじいさんだったから、諸々電話で説明しても埒が明かないし、何より電話越しで後ろからばあさんがずっと怒鳴ってる。
じいさんは聞こえていないのか何なのか、「電話を変われ!」「おい!」「詐欺だよ!」といった問いかけ…というか怒号を完全無視。
聞こえている内容的に、ばあさんに変わったら面倒だったので助かったけど。詐欺じゃないしね。
そんなこんなで、実際に資料とか見せつつ説明したいってことで、急ではあるがじいさんの意向で10分後にじいさんの家に行くことになった。
資料を準備して車で2~3分のじいさんちへ。
家に近づくにつれ、何となく嫌な予感がした。
家に着くとじいさんが一人で出てきた。
土地の売却うんぬんは息子に相談してみるってことで、15分くらいでお暇した。
座敷にあった、最近亡くなったであろう豪勢な仏壇と棺、家の近所にあった葬儀の案内板を見ると、あの電話越しのばあさんの声は何だったのか…心霊現象じゃないことを祈る。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 17票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。