私だけが墨田さんを覚えていた理由がなんとなく、分かった気がした。
意識を取り戻して一週間二週間と経ち、私は病室でただ天井を見つめながら過ごしていた。
もう自分の顔を鏡で見られない。重いやけどは顔にまで及び以前の面影がないからだ。
腰から下にも麻痺が残って感覚が殆ど無い。
こんな私にどんな未来があるというのだろう。
あのまま自分が死んだことに気付かず、向こうで皆といた方がよっぽど幸せだったに違いない。そんな思いが鬱々と頭を巡る。
そうしてある日、私に見舞客が訪れた。
墨田さんだった。
彼女は長かった髪を首の位置までバッサリ切っていて、杖をついて歩くその姿は片足が義足になっていた。
ベッドの上の酷い有様の私を見ても顔色一つ変えず、相変わらずの無表情だ。
側の椅子に座り私を労る言葉をかけた後、ポツポツと自分の状況を話し始めた。
外見からは分からないが怪我の後遺症で右目もほとんど見えてないらしい。
今は周囲のサポートを受けながらなんとか学校に通っているとのことだった。
それからは早々に話題も尽き、お互い無言の時間が続く。
しばらくそうしていると、洟を啜る音が聞こえてきた。
隣を向くと墨田さんがぼろぼろと涙を零している。
「良かった・・・。望月さんまでいなくなったら私もう辛過ぎて、だからほんとに、生きててくれて、嬉しい」
そんな彼女を見て私は(この子もこんな風に泣くんだなぁ)とのんきなことを考えたのを覚えている。
同時にその時に、私の中で何かが吹っ切れたんだと思う。
現在、私は元の自分を少しでも取り戻すべく、毎日地獄のようなリハビリに明け暮れている。
お互いの存在を支えにしながら、私たち二人はこれからも生きていく。
























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