これは、私が中学生だった頃に、同じクラスのSさんから聞いた話だ。
Sさんは小学生時代、クラスメイトからいじめを受けていたそうだ。
いじめの首謀者は、クラスのリーダー的な存在の女子、R。
Rは可愛くて家もお金持ち。気が強く、クラスの誰も逆らえない。
Sさんがいじめられるようになったのも、些細なすれ違いからRに嫌われてしまったことが原因だった。
クラス全員からの無視や悪口は当たり前。靴を隠されたり、給食にゴミを入れられたり。陰湿で、かなりキツイ内容だった。
Sさんはほとんど学校に通えない状態にまで追い詰められてしまった。
Sさんは辛い現実から逃げるように、毎日、「ある日突然いじめが終わる」という空想に耽った。
以前のようにみんなが仲良くしてくれて、平和で楽しい日々が戻ってくる。
Rも優しくしてくれる。なんなら一番の親友になってくれる。そうしたら、もうみんなからいじめられることはないから。
悲しくも切ない空想だ。
しかし、毎日毎日そんな空想に耽っていたせいだろうか。次第にSさんの空想は、夢にまで現れるようになった。
その夢はとてもリアルだった。
現実と全く同じ街や学校。
お父さんもお母さんも学校のみんなも、本物のように生々しいのだという。
しかし、Rだけが現実とは違う。
夢の中のRは優しく、思いやりがあって、いじめなんかするような女の子ではない。
そして、Sさんととても仲が良く、一緒に遊ぶような仲なのだ。
奇妙なことに、夢は毎日続いた。
それも、朝起きたら昨日の続きの今日が始まるように、夜寝ると昨日の夢の続きが始まるのだそうだ。
例えば夢の中で、Rと週末に水族館へ行く約束をしたとする。
すると、週末になると、本当にRと水族館に行く夢を見るのだ。
Sさんは夢の中のRと親交を深め、Rのことが大好きになっていった。
それこそ、親友と呼べるくらいに。
しかし、いつものようにSさんが夢の中の生活を楽しんでいたある日のことだ。
夢の中のゲームセンターでRと遊んでいると、ふいに誰かがSさんの背中を叩いた。
振り返ると、見たことのない人がいて、Sさんに向かって、
「それはいけないよ。それはいけない。つじつまは、ちゃんと合わせないといけないでしょ」
と言った。
Sさんが混乱していると、続けてその人は、
継続夢ですね。それもこちら側の世界とは違う、並行世界の別の自分の記憶を夢の中で見れる。多分、夢の中で実際に向こうの世界の生活を送っていたのでしょうね。
私も昨年、職場の人間関係がこちら側と全く違った並行世界の継続夢を見ていた事があります。
有識者の方に相談したら『現実世界とその夢の中の(並行)世界の記憶を統合し(向こう側への世界の執着を捨て)なければ、向こう側から戻って来れなくなるかも…』と言われました。
この話の中で『(現実世界と並行世界の)つじつまが合わなくなる』と言った方は、その様なことを言いたかったのだろうと思います。
もし、この話の主人公である彼女がRさんのことをかばって『(夢の中の)Rさんを好きだ』と言っていたら、主人公である彼女が現実世界から戻って来れなくなっていたところでしたでしょうね。。。
私も人間関係で悩んでいますが、そんな夢を見ません。まだまだ軽い程度なのでしょうね。
人間関係の悩みに、軽いも重いもありませんよ。
どうぞご自身を労わってあげてください。
興味深い話しでした。
なんでSさんが怖いの?
めちゃ優しい人じゃん。マジで1ミリも意味不明
「親友になってあげる」この言葉にSさんの人間性が集約されているように思う。ニコニコしながらRさんを見下すSさんは怖い。いっそ悪意のこもった口調でざまあ!とでも言ってくれた方が腑に落ちる。
rさんに対する発言から、sさんは正常ではないように思えて、怖いよりヤバイ。