俺だけ見える心霊写真
投稿者:赤壁二世 (13)
友人のAが死んだのは俺が高校1年の頃だった。
バイト帰り、免許取りたての原付で家に帰る途中、ひき逃げにあったんだ。
犯人はすぐ捕まったが、そいつは飲酒運転だった。
当時はこんな奴にAが殺されたのかと思うとその場で殺してやりたくなったが、たった一年、一周忌が訪れた頃には殺意なんかよりAがもういない寂しさが増して、久しぶりに見たAの遺影の前で物悲しくなった。
俺の友人はAの他にもB、C、Dと居るが、Aが亡くなってからはあまり遊ばなくなった。
と言っても、多ければ週に何度か、少なければそれこそ何ヵ月も連絡しない事もあり、集まったら集まったらでAを思い出して黙り込んだりするので、自然と疎遠になっていったんだと思う。
ある時、家のリフォームをする事になったんで、家族総出で荷物の整理を始めたんだが、俺の部屋も幼稚園から高校までの思い出の品がたくさん遺っていてとてもじゃないが数日で終わる気がしなかった。
そんで、荷造りあるあるなんだが、やっぱり思い入れの品を見つける度に作業が中断してしまう。
バトル鉛筆だとか、収納庫が多い筆箱とか、写生大会の良く分からない風景画とか、そんな物を広げると童心に帰ったかのように、いろんな事を思い出すんだ。
中にはAと共に制作したパチンコがあって、思わず涙腺が弛んだ。
木の板に釘を打ち込み、ビー玉を弾いてパチンコに見立てた夏休み定番の自由工作。
よく教室の後ろで友達とこれで遊んでいたが、思えばAと作ったこのパチンコでB達とも仲良くなったなーと思い出に浸っていた。
更に荷物整理を続けていると、今度はアルバムが出て来た。
1ページ目を捲れば、中学校からの俺の成長の様子が写真に収められていた。
写真はプライベートなものばかりだったが、俺の親父の引率でA達と市民プールに遊びに行った時の写真や、バーベキューをした写真もある。
懐かしいなー、なんて独り言を零しながら捲っていくと、一枚の写真に目がとまる。
これはいつの写真だろうか。
背景の様子から夜に撮影されたものだが、場所が思い出せない。
左からA、C、D、B、俺の順に並んで写真に写っているが、その顔は無表情だった。
何処か建物の中の様に見えるが、暗すぎて場所の特定ができない。
それになんか背後にぼやけた人のようなものが映り込んでいる。
何度目を細めてもこっちに体を向けているように見えるんだが、それが人だという確証が持てないくらいにぼやけてた。
そのぼやけた人みたいな奴がちょうどAの真後ろに居たんだ。
一瞬、心霊写真か?とも思ったが、何というか、あまりにもそれがぼやけていたからこの時はまだ怖くも何ともなかったので気にせずに放置していた。
んで、次の写真に目を移せば、地元の縁日の帰りに撮った写真があって、あまりの懐かしさにすっかり一つ前の写真の事は忘れ去ってしまった。
そんな事があった数カ月後、リフォームの為にアパートで暫く暮らしていた時に悲劇は起きた。
今度はCが亡くなった。
Cも交通事故だったが、地元のちょっと不良の先輩が自動車免許を取ったらしく、数人でドライブをしていた所スピードを超過したせいでスリップし、そのまま民家の塀に激突したらしい。
不運なのがその中でCただ一人が亡くなり、後の仲間は軽傷で済んだことだ。
何でも、車が塀に衝突した際、壁を突き破った先にあった物干し竿を巻き込んで家の外壁に激突し、外壁に押し潰されると物干しの先端がフロントガラスを突き破り、後部座席にいたCの右目を貫いて即死していたと聞いた。
怖いけどそれ以上に辛い
ゾクゾクした
怖い話ってこういうのだよねやっぱり
スマホのフォルダの中で自分が写ってる写真確認してしまった。
凄く怖かったです
怖い。
大丈夫だとしか言えないよ。
その写真の人影みえる霊能者はいると思いますが。
自分だけ、何で生きてるんだよ👎🏻
生き残っていなければここに書くこともできないからね