私にチカちゃんって一人娘がいるんですけど、娘が小さかった頃に”ぐるぐる”っていう架空の友達がいたみたいなんですよ。
私が庭で洗濯物干してたりキッチンで料理してると「あー!ぐるぐるが来た!」って娘が嬉しそうによく言ってきました。
「ぐるぐるさん来たんだねぇ。ぐるぐるさん目が回ってるのかなぁ」
私もチカちゃんに付き合って話を合わせてあげるとチカちゃんは手を叩きながらキャッキャと喜ぶものですから、これがまた可愛くて私も娘の遊びに付き合っていました。
イマジナリーフレンドっていうんですかね、想像上のキャラクターを作り上げて一緒に遊ぶっていうのは小さな子供には珍しくないらしく、実は私も娘の年頃にやっていた記憶があるのでやっぱりこういうとこは親子なんだなぁなんて思ったりしてて。
チカちゃんの幼稚園卒業と同時にこれまで2年ほど住んでた借家を引き払い、私たち一家は新居へと引っ越しました。
するとどうでしょう、新居に移るとチカちゃんはぐるぐると遊ばなくなってしまったのです。
ぐるぐるさんいなくなっちゃったの?と聞いたらチカちゃんは寂しそうに頷くので、まぁもう小学生になるんだし流石にそういう遊びは卒業かな、と思いました。
それから娘はすくすく成長して今は立派な中学生になり、毎日勉強に部活にと大忙しです。
ある晩、家族揃って夕飯を食べている時にふと、このぐるぐるさんの事を思い出して娘に聞いてみました。
「ねぇ、チカが小さかった頃はよくぐるぐるさんと遊んでたよねぇ」
すると娘はお椀を持ったまま箸をピタッと止めてしまいました。
「ごめん、その話やめて」
「え~?いいじゃない昔の事なんだし。ぐるぐるさんってなんだったの?」
「言いたくない」
「教えてよ。恥ずかしい事じゃ無いだから」
しつこく尋ねると娘はついに根負けして重い口を開きました。
「お母さんの足元をね、髪の長い女の人が四つん這いになってぐるぐる回ってたの」

























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