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呪い・祟り

山科文字さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

殺したい人、いるー?
長編 2026/07/04 21:35 174view

「殺したい人、いるー?」
そう俺に言ってきたのは、一つ上のA先輩だ。

俺が大学2年生の頃、夏休み前に彼女に振られてむしゃくしゃしていた時のことだ。
当時、俺は「映画サークル」という映画見てダラダラするだけの、部員が20名くらいのサークルに所属していたのだが、A先輩が突然「お茶しない?」と誘ってきた。

A先輩は可もなく不可もなくと言った外見で、性格はおっとりしているものの時々空気を読めない発言をしてしまうせいで、サークル内でも孤立していた。特に映画サークルの半数を占める女子部員からは「一緒にいるとイライラする」とほぼ無視されているような状況だ。
そんなA先輩からの誘いということなのだが、正直、振られて傷心中の俺なら今優しくすれば付き合えるとか思ってるんじゃないのか?なんて勘繰ってしまう。
そんなA先輩に少し思うところはあったものの、「奢ってあげるから」というのでついていくことにした。
その日は特に暑く、湿度も高かったため、大学から少し歩くだけで服が汗だが湿気だかでじっとり濡れていた。
A先輩も俺も午前中にしか授業はなかったので、大学の入り口前で待ち合わせて最寄駅近くの喫茶店に向かうことにした。
待ち合わせに来たA先輩は、いつもの地味な服装とは違う水色のワンピースに身を包んでいた。正直言って色もセンスもないと思っていたが、待ち合わせたA先輩がなんだか照れているようだったので「あ、この人の中では精一杯のおしゃれなんだな」と思って、「今日可愛いですね」と簡単にお世辞を言っておいた。
しかし俺の目は服装よりも、湿気と汗で若干シミを作っている脇とか背中に目がいっていた。
無性にこの女が欲しいと、思った。

喫茶店はエアコンがガンガン効いており、夏の暑さに辟易していた身としては大変ありがたかった。
A先輩と俺は、入り口近くの2人用のこぢんまりとした席に座って、A先輩はアイスコーヒーとチョコレートケーキを、俺はアイスカフェオレとフルーツタルトを頼んだ。
机に置かれたお冷に口をつけて飲む。その時にチラリとA先輩を盗み見ると、なんだかもじもじして窓の外を見ていた。
(先輩から誘ったんだから、話振ったりはそっちでしろよな)
と思ってこちらから話すこともなく、しばらく無言の時間が続く。喫茶店の洒落た音楽がかすかに聞こえて、室温も気持ちが良いし、これはこれで快適だった。
「あのさ……」
とA先輩が話しかけたところで俺たちの机に注文したものが届けられる。A先輩はまた口をつぐんでケーキやタルトが置かれ切るまで黙っていた。
「……とりあえず食べよっか」
と先輩がいうので、俺はカフェオレに口をつける。冷たさが体内に満たされていって気持ちが良かった。
半分ほど黙々と食べ進めているところで、A先輩がおずおずと口を開く。

「あのさ、〇〇君って殺したい人、いるー?」

突然の質問に頭がフリーズする。

思わず「え?」と返したら、A先輩は慌てたように片手を顔前で振って
「ごめんごめん、突然すぎたよね。ごめん、いつもこうで…順を追って話すね?」
こっちが恥ずかしくなるくらいに赤面していたA先輩は、残りのアイスコーヒーをぐっと飲み切ると、深呼吸して話を続ける。
「実は、呪いで人を殺す方法、知ってるんだ。」
「はあ」
「私、最近、スピっててさ。本当に呪いがあるんなら試してみたいと思って、色々検索してたの。そしたらさ、ココナラあるじゃん。あそこで『呪い殺す方法教えます』っていうのがあったんだよね」
「え、それ、買った?んですか?」
「うん。1000円。」
「ええ……」
「そしたらPDFが送られてきて。そこに方法が書いてた。」
「先輩、それ詐欺ですよ。」
「別に千円だし笑 でも、もっと面白いことがあって、私、方法は知ったんだけど殺したい相手、いないんだよ。それでさっきの質問。」
「はあ……」
A先輩はなんてことのないように、送られてきたPDFを見せてくる。そこには、箇条書きで

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