そう言うおじさんは優しくにっこりと笑った。
翌日、学校に行くと奥山君は居なかった。
先生「奥山君は昨晩、行方不明になった。今、警察の方に捜索してもらっている。」
その日、学校から帰ると急いであの秘密基地へ向かった。
するとやはり、池の横におじさんが腰を下ろしている。
僕「おじさん…」
「やぁ坊や。学校は楽しかったかい?」
僕「うん。楽しかったよ。」
それから僕はこの秘密基地によく来るようになった。緑色の野原に包まれて昼寝したり、おじさんと話したりした。
ある日。
僕「ねぇおじさん。」
「何だい?」
僕「何でおじさんは、よくここで包丁を洗ってるの?」
「…君はまだ知らなくていいよ。」
僕「大丈夫。僕誰にも言わないから。おじさんが『人を殺した』こと。僕、霊感があるんだ。だからおじさんの殺した人見えるんだ。」
おじさんはぎょっとした。
「…本当に誰にも言わないかい。」
僕「もちろん。だっておじさんは僕を助けてくれたから。僕が知りたいのは、何でここで包丁を洗ってるのかだよ。何で家で洗わないの?」
おじさんはにっこりと微笑んで、
「…それはね、家に血の痕が残らない様にする為だよ。殺すのも、この近くさ。ここで殺して、ここに死体を埋めて、ここで包丁を洗える。とっておきの場所なんだ。」
そう答えてくれた。
僕「へぇ、知らなかった!僕、それ洗うの手伝うよ!」
「そしたら君も捕まってしまうよ。」
僕「うん、いいよ。助けてくれたお礼。それに僕も共犯になれば警察に言えなくなるでしょ?…もし僕が警察に言おうとしたら、僕を殺していいから。」
おじさんは嬉しそうに笑みを浮かべる。僕はおじさんと話しながら、汚れた包丁を洗ってあげた。
僕「はい、洗えたよ。」
「ありがとう。坊やのお陰で早く終わったよ。」
僕はおじさんにぽんぽんと頭を撫でられた。
僕はおじさんの役に立てたのが嬉しくて、それから何度か包丁洗いを手伝った。
けれど、とある時期から塾に通うことになり秘密基地へ行けなくなってしまった。次第におじさんの事も忘れていった。
























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