謝罪男
投稿者:with (43)
今日の俺はツイている。
パチンコで二万勝ったのを皮切りに、この前購入した宝くじも5000円当たり、満員電車に乗れば目の前の席の人が下車したから入れ替わるように座る事ができた。
スーパーに立ち寄ればちょうど値引きされたステーキ弁当の残り一つを獲得できたし、仕事でも俺の資料が上司に誉められたので好調だ。
そんな折、晩御飯の買い出しを終えた俺は鼻唄混じりに馴染みの道を歩いていると、余所見していた俺が悪いのだが、人とぶつかってしまった。
「いてっ」
相手が俺よりも小さいのもあり、ちょうど相手の額が俺の顎を直撃して痛みが走った。
「す、すみません、すみません、すみません」
顎をさすりながら正面を見ると、モジャモジャ頭をしたスーツ姿の男性が謝り倒しているのが見える。
キツツキかと言うほど、何度も頭を深く下げる動きを繰り返すので、顔が残像のようにブレて映り、表情をうまく読み取れなかった。
冒頭で語った通り俺はまあまあ気分が良かった事から、
「いえ、此方こそ不注意でしたので、すみません」
と、平謝りした。
俺がそう謝ると、男性が俺の目を直視して特徴的なおちょぼ口と痩けた頬肉と向ける。
そして、男性は一瞬だけ静かになったかと思えば、再び謝罪を繰り返すのだ。
「本当にすみません、すみません、すみません」
あまりに平身低頭と謝るものだから、傍から見たらその筋の人間が一般人に絡んでるように映るのか、通行人の目を引いてしまい、そこら中の人が怪訝な面持ちで俺の事を睨んでいる事に気が付いた。
もしかしたら、殆どの野次馬が俺がこの男性に因縁をつけているとでも思っているに違いない。
俺は誤解を解くためにどうにかして男性に謝罪を止めるよう促す。
「いや、本当にもう、大丈夫なんで!謝るの止めてくださいよ!」
わたわたと身振り手振りで相手の行動を諌めようとするが、男性は謝罪を止めないばかりか、あろうことか土下座を始めたのだ。
男性は地面に額を打ち付ける勢いで叩きつけると、
「すみません!すみません!すみません!」
と、絶叫に近い声量で謝り倒す。
これは相当頭のネジがぶっ飛んだ奴だ、と俺は半ば苦笑いする。
さすがにこれ以上は警察沙汰だと思い、目の前の異常な行動を取る男性を見下ろしながら俺はそそくさと立ち去る事を心に決めた。
「本当、止めてくださいって!俺もう行きますから!ぶつかってすみません!それじゃ!」
買い物袋を抱き締めるようにして俺は駆け足でその場を離れた。
時折後ろを振り返るが、男性はその場にとどまり一人で「すみません!」と連呼していた。
世の中には変わった人がいるな、と俺は暫く走った後他人事のように溜め息をつく。
男性のせいで正規ルートを逸れ、俺は自宅まで迂回することになった。
ダボってh県南西部の方言なんだそうな。
眠れません!!(怖くて)
目的わからなすぎて怖い
怖かったです(笑)
こわ
怖いし面白いです
「ダボッ」って…
ジョジョ第4部の億泰かと思った…(汗)
恐すぎる…
なにかわからない、それが怖い
主人公の名前がダボだったんだろ