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ヒトコワ

プルプル布顚🍮さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

あかるい野原と小さな池
長編 2026/03/20 08:53 72view

 僕は今、田舎にある実家に帰って来ている。家の周りは山に囲まれて、空気がとても澄んでいた。久し振りに見る景色は、僕が子供の時とあまり変わっていなかった。

僕はふと、子供の時によく行っていた秘密基地を思い出した。そこは森の中を暫く進んだ所にある。緑の野原と1m程の小さな池のある場所。僕は子供の頃の記憶を頼りに森の中を歩いていった。

昔の記憶が少しずつ鮮やかになっていく。十五分程歩くと、あの野原が見えた。

小さな白い花が咲いていて、木漏れ日に照らされた小鳥がチュンチュンと鳴いている。池は思っていたより深く、底は見えなかった。僕は其処で背負っていたリュックサックを下ろし、小さな池の中を眺めていた。

「ちょっと良いかい?」

僕は背後から声を掛けられた。

僕「…こんにちわ」

振り返ると、五十代位のおじさんが立っていた。

僕「お久しぶりですね。」

「ああ、元気にしていたかい?」

この人は、僕が子供の頃にこの場所で何度か会った事がある。決まってこの人は、何時も池で洗い物をしていた。

僕「池、使いますよね。ちょっと退きますね。」

僕は思いリュックを持って少し場所を開けた。

「悪いね。使わせてもらうよ。」

おじさんは袋から汚れた出刃包丁を取り出した。

僕「おじさんは、今もよく此処に来ますか?」

「あぁ、しょっちゅう居るよ。ところで、君はまた昼寝をしに来たのかい?」

そういえば、僕は子供の頃この場所に来る時は大体昼寝をしていたな。何だか懐かしい感じがした。おじさんは何一つ変わっていなかった。

僕「…いや、今日はおじさんと同じだよ。」

おじさんは、一瞬驚いた反応をしてから優しくにっこりと笑った。

「…そうか。君も大きくなったなぁ。」

そう言うおじさんを横目に見ながら、僕も重いリュックの中から汚れた包丁を取り出した。

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「どうしたんだい。悲しい顔して。」

僕は学校でいじめられ、一人で池の横に座って泣いていた。

僕「学校で奥山君にいじめられたんだ。」

「そうか…。それは大変だな。」

おじさんは僕の肩に手を置いた。

「もう大丈夫だ。おじさんが助けてあげよう。今日はもう時間が遅いから帰りなさい。」

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