奇々怪々 お知らせ

ヒトコワ

belmoさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

死者の声
短編 2026/05/04 12:48 988view

轟々と降り荒ぶ雨の音に目を覚ます。
 
  
眼前には見慣れない洋館風のホテルだろうか、そのエントランスであろう場所に私は居た。
灯りはなく、夜目が利くまで動けそうにはない。
 
 
状況を理解出来ず座りこけている間にも豪雨は嵐へと変わり、霹靂が耳を劈く。
もはや扉を開け外に出ようとする気は起きない。
 

 
かといって後方の階段を登り、未知へと至る
その気持ちも今の私には無い。

 
体が怠い。
心が重い。
そこにずっと居る私を責める某が無いのならば、このまま植物のように根付くことも吝かではなかった。
  
 
「大丈夫?」

喧騒の中に水を打ったように掛けられた声に体が跳ねた。

顔を見なくても分かる、それは母の声だ。
私の唯一の肉親。唯一の理解者。
 
 
ー大丈夫だよー
そう声にしたいが出来ない。
それでも私は安堵していた。
生涯の傍には母が居て、私に道を示してくれる。
私は示された道を歩んできた。

1/3
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。