中学生の時、林間学校というものがあった。
山奥のキャンプ地でクラスメイトと一緒に自然の中で学ぶというやつ。
出発の朝、母さんがオニギリを作ってくれた。水筒にはほうじ茶。
リュックにいろいろ詰めてくれて、最後にお守りをつけてくれた。
家に丸一日帰宅しないのは、幼稚園のお泊り会以来だし、
そりゃ母さんもお守りくらい持たせたくもなるだろう。
ボクら生徒はいったん学校へ集まり、そこからバスで目的地へ向かった。
バスは山の麓までしか行かず、そこからはハイキングをしながらキャンプ地を目指した。
途中持参したお昼を食べた。冷たいほうじ茶がうまい。
つらい山歩きの後、ようやくキャンプ地に到着すると、スピーカーからはABBAの「チキチータ」が流れていた。なんだか楽しそうな雰囲気。
一通りのレセプションが済むと、各班に分かれての行動となる。
それぞれ、今夜寝泊まりするためのロッジが割り当てられ、その後夕食の準備に入る。
いわゆる飯盒炊飯(はんごうすいはん)というやつ。
飯盒というアルミ製の容器に米を入れ、研いで、薪を燃やして、
その火でご飯を炊き上げる。
一緒に大鍋でカレーも作る。女子たちがエプロン姿でジャガイモやニンジンを切り、
男子は火起こし。大鍋で煮込む準備だ。
他の班の出来具合などを偵察したり、されたり。味見をしたり、してもらったり。
そうして出来上がったカレーを、大自然の中みんなで食べるのだ。
なにもかもが初めての体験だった。
夜になり空が暗くなってくると、今度はキャンプファイヤーに火が灯された。
やぐら状に組んだ木が燃やされ、その周りを生徒たちが囲む。
炎に明々と照らしだされる仲間たちの顔。・・・それは良いのだが、なんと恥ずかしいことにマイムマイムを踊らされるハメになった。・・・恥ずかしい。ダンスは苦手だ。
そんな中で、ちょっとしたイベントとして肝試しが催された。
キャンプ地を取り囲むようにして小高い丘になっているのだが、頂上に祠(ほこら)があり、
そこまで行った証拠として、木でできた札を持って帰るのだという。
みんなこのイベントのために懐中電灯を持ってくるように言われており、手にした小さな懐中電灯を頼りに林道へ入っていく。
自分は家からけっこうデカイ超強力な懐中電灯を持ってきていたので、林道を登っていく仲間たちをしばらくサーチライトのような光で照らしてあげていた。少しでも道が明るくなるように。
やがて自分たちの番になった。あろうことか自分が先頭である。なぜなら、デカイ懐中電灯を持っているからである。こんなことなら小さいのにしとくべきだった。
丘のあちこちから悲鳴が聞こえる。先に行った班だ。
そんな声を聴いてから登るとなおさらビビってしまう。




























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