毎年、春が来ると桜や色とりどりの花が咲く。皆は口を揃えて「美しい」と言うが、私にはそう思えない。あの日の朝も、こんな満開の桜だった。私はこれまでも、これからもずっと花を好きになれないだろう。
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私の友人・心結は花や植物が怖く感じる「花恐怖症」という精神疾患がある。幼い頃からずっとそうらしく、外へ出る前は必ず薬を飲んでいる。
正直私は恐怖症如きで薬なんて大袈裟だと思っていた。それに自分の苦手な物にはちゃんと向き合った方がいいと思う。じゃないとこれからもずっと変われないからだ。
私「ねぇ心結。私は苦手な物にはちゃんと向き合った方がいいと思うよ?少しずつ触れば慣れるよ。」
心結「ほんとに植物だけは嫌なの…」
私「でもさぁ、苦手な物には向き合わないと何も変わんないじゃん。」
心結「ただ怖いだけじゃないんだよ…」
私「言い訳はいいから。そうだ!今度桜が咲いたらお花見しよう!」
心結「え…嫌だよ…」
私「まぁまぁ、一回位良いじゃん。私お団子持ってくるから一緒に食べようよ!」
私は少し強引に心結をお花見に誘った。正直心結は嫌がっていたが、こうでもしなきゃ克服出来ないんだから仕方なかった。
暖かくなり、桜が少しずつ咲き始める春。
今日は、遂に心結とお花見をする日。お花見は朝がいいと約束した為私は何時もより早く起床した。
レジャーシートに三色団子やおにぎり、他にも色々なお菓子を鞄に詰めて私は家を出た。
約束場所に着くと、先に心結が着いていた。けれど心結は分厚い手袋に深々と帽子をかぶり、雨でもないのに傘を差していた。
私「お、おはよ…」
心結「お、おおおおおはよ…。」
彼女の声と手は震えていた。
私「相変わらず大袈裟だなぁ。ほら、行くよ!」
私は心結の手を引いて、あらかじめ決めておいた穴場へと向かった。心結は私の手を痛い程強く握っていた。
私「おぉ!めっちゃ満開だ!」
そこまで大きい訳ではないが、その木には沢山の桜が咲いている。私は鞄からレジャーシートを取り出し、桜の真下に広げた。
心結「え…ちょっと桜に近過ぎない…?」
私「そう?別に普通だと思うけど?」
鞄からお菓子とおにぎりを出し、レジャーシートに置く。すると、飲み物を持ち忘れた事に気付いた。
私「ごめん!飲み物買ってくるから此処で待ってて!先に食べてていいから!」
心結「え…!?ちょっと待ってよ…」
近くの自動販売機を探しに行く。けれど近くには無かった為少し離れた自動販売機でお茶を買った。少し心結を待たせてしまった。私は走って桜の木へ戻った。























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