陽キャなドッペルゲンガー

俺「・・・・え」

ここまでの一連の流れが勘違いであって欲しかったが、こちらの予想を大きく外れてきた。

俺「なぁ・・・トウヤが会った「俺」は本当に俺だった・・・？」
トウヤ「何を訳の分からんことを・・・どう考えてもお前だったよ」

するとトウヤは本来の目的を思い出したらしく、
トウヤ「そう言えば同窓会やるってお前言ってたよな？あれ会費いくらだった？」

どうやら「俺」に似た何かが、友人たちを同窓会に招こうとしている・・・らしい。
それは実際には俺では無いので、同窓会の会場も、会費さえ分からない。

俺「・・・いやぁどうだったかなぁ・・・今二日酔いで頭回んねぇわ・・・。」
と胡麻化した。

トウヤ「本当に大丈夫か？まぁ良いや、アキに聞きゃあ分かんだろ」

そう言い、「何かあったら言えよ」と言い残し電話は切れた。
これまでに起こった事・・・今のトウヤの言動から察するに・・・俺そっくりな「俺」。つまり「ドッペルゲンガーみたいなの」が居て、俺のふりをしながら友人や家族と連絡を取っている・・・。

俺「・・・・・・・・・こえぇぇぇぇぇ！！なんだよそれ！！誰だよそいつ！！？？」

しかし埒が明かないので、アキに連絡を取り、同窓会の詳細を聞きつつ、「偽物の俺」を撃退する事にした。

ＬＩＮＥを開き、メッセージを・・・と思ったが開けない。
他のＳＮＳも入れなくなっている。
これは・・・偽物の俺にやられたかもしれない。トウヤは「電話番号が変わった」と言っていたから、偽物が持つ新しいスマホにアカウントが移行されているのだろう・・・。

何故か電話はまだ出来るみたいなので、使えなくなる前にアキに電話し、同窓会の詳細を聞かなければ・・・。

アキに電話を掛けると何コールかしてから出た。

アキ「お疲れぇ。アレ？古い方のスマホから電話してる？」
俺「あぁ・・・新しい方の電池が切れちゃって。」
アキ「古い方のスマホ無くしたって言ってなかった？あ、今仕事してるから・・・要件は？」
俺「あぁゴメン。同窓会って何日だっけ？あと場所も・・・・ど忘れしちゃった」

するとアキはため息をつきながら、

アキ「あんたが同窓会しようって言いだしたんだからしっかりしてよね？６月20日に○○会場で20時からよ」

俺「あ・・・あぁ！そうだったね！ごめんごめん！！」
アキ「もう・・・。あ、今日ユキト何時に仕事終わる？私残業っぽくてさぁ・・・先にご飯食べててね。」

俺「（！！！！！！？？？？？）」
俺「あ・・・・あ、こっちはそんなに遅くなんないかなァ・・・分かった・・・。じゃあね」
アキ「電話アリガト♪大好きだよっ！また夜にね♡」