柴田は大学からの友人で卒業してからも年に一、二度会う程度の関係を維持していた。
柴田は当時からひょうきんではあるがチャランポランな面もあり、卒業後もいろんな職を転々としていた。
同期連中はそんな彼を少し遠ざけているようだったが、俺は彼の生来の明るさや自由人な振る舞いに惹かれるものがあり今もこうして付き合いがある。
彼と会う時はいつも安居酒屋だった。この時は半年ぶりの再会だっただろうか。
居酒屋で近況を話しているうちに、柴田が予想外のことを言い出した。
「来週から船で働くんだ」
「船?」
「外国船籍の大型クルーザー。半年契約
仕事内容は客室や共有スペースの清掃。
経験不問。食事と船室付き。
しかも給料は普通の清掃員とは比べものにならないくらい良いときた」
「なんか怪しくない?」
「たしかに!俺も最初そう思った」
柴田は笑って続けた。
「ただ、採用までの健康診断が妙に厳しくて
普通の検診だけじゃなく体力測定もあったし、血液検査なんかは何度もあってさ 逆にこれは信用できるなと俺は思ったね」
「富裕層が乗る船だから、感染症とか厳しいんかね?」
「まあ、そんなもんなんじゃね?」
「船の名前は?」
「セレスティア号」
「ふーん 聞いたことないなぁ」
それから半年、帰国した柴田から連絡が来た。
「よ!戻った。飲まない?」
待ち合わせの店に現れた柴田を見て、最初に思ったのは
なんか痩せたな
だった。
もともと細身だったが、頬がさらにこけていた。
腕も前より細いような気がする。
「お前、大丈夫?」


























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