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ヒトコワ

りうさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

親と子
短編 2025/09/02 06:26 6,088view
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俺は両親が高齢出産で生まれた一人っ子。高校まで自宅で家族と過ごして卒業後、東京で就職した。
年老いた両親のことが心配ではあったが、仕事の忙しさにかまけてロクに連絡をすることもなく、上京して1度も帰省できないでいた。
就職して3年、付き合っている彼女と結婚することを決め、両親へ報告することにした。電話でその旨を伝えると
「もう私たちから卒業ね!」
と、ものすごく喜んでくれた。
そのうち彼女を会わせに帰省することも伝えると、
「その時は早めに連絡してね、絶対よ」
と何度も何度もしつこく言われた。
とはいえ、突然帰って驚かせようと思い、事前に連絡することなく彼女を連れて帰省した。

両親は家にいなかった。
住んでいたはずの賃貸マンションには他人が住んでいた。

驚いて母親に連絡すると
「えっ、来たの…」とだけ言って切られ、その後は不通。父親も同じだった。
マンションの不動産会社に連絡すると、つい先日、引っ越したことだけしか分からず、行き先は分からなかった。

俺は途方に暮れ、ひとまず彼女とホテルに泊まり、ホテルで体調を崩してしまった彼女を先に東京へ帰らせて、地元の役所に行ってみた。
両親の住民票を確認しようとするも閲覧規制がかかっていて、所在は分からなかった。誰にも見られたくないという両親の意思とのこと。警察に頼めば規制できるらしい。
そこで警察署に向かい、両親の行方不明届を出して探してもらおうとしたが、「ご両親の安全は確認できています。貴方は不明届を出すことができません」と言われてしまった。
弁護士の知り合いに聞いたところ、身の危険を感じ、それを警察が同意してくれた場合、そのような手続きができるとのこと。ようするに、両親の意思で、誰からも探さないで欲しいということらしい。

こんなことがあるのか?先日、電話で話したばかりなのに…
借金でもして、行方をくらませているのか…、まったく見当がつかなかった。一体、誰から逃げようとしているのか?

一旦、東京に戻り、最後の頼みとして探偵に依頼した。
数日後、探偵から通知が届いた。

「ご両親はご健在です。これ以上はお伝えできません。私共も、これ以上は本件に関わることを控えさせていただきます。探偵料のお支払いは結構です。」

まったく意味がわからない…

確かに中学・高校時代、教育熱心な両親への反抗心から、母親の片目を失明、父親を半身不随にして少年院に入ったけどさ。
久しぶりに会って、触れ合いたかったのになぁ。
ま、いっか。今の俺には彼女がいるから。体調、治ったかな、

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コメント(2)
  • 怖い❗

    2025/09/02/17:14
  • 原因お前かよ‼︎

    2025/09/08/15:43

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