自分は1人だった
投稿者:八尺マン (49)
長編
2025/01/28
23:20
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俺は普段あまり飲まないのだが、昨日、偶然、昔からの友人と会って、飲みにいくことになった
昔の友人というのはいいものだ
どれだけ歳をとっていても、友人と語らうその時だけは若き少年時代に心が戻れる
俺と友人は俺の行きつけのバーに行って、しこたま飲んだ
それがよくなかった
気が付くと俺は自分ちの玄関で眠っていた
いつの間にか朝になっている
頭がガンガンと痛い
吐き気がする
しまった 飲みすぎた
俺は家にいるはずの妻に「おーい。水持ってきてくれ」と声をかえたが返事がない
出かけているようだ
普段なら朝は家にいるのに
愛する夫が玄関で寝てしまったというのに、それを放置して出かけてしまうなんて薄情なやつだ
それにしても飲み過ぎてしまった
どうやって帰ったか覚えていない
ここまで飲んだのは久しぶりだ
まあ、仕方ない
久しぶりの友人と会えたのだ
飲み明かさずにいられるかという話だ
久しぶりにあいつと話せてよかった
あいつと・・・
あれ?
昨日のことを思い返そうとして、そこで自分の中の異変に気付いた
あいつって誰だ?
昨日、一緒に飲んだ友人とは誰だっただろうか
飲みすぎて飲んだ時の記憶がなくなるということはよくある
だが、飲んだ相手のことすら覚えていないなんてことはなかった
さすがにそこまで飲みはしない
しかし、何度思い出そうとしても友人が誰だったのか思いだせない
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