ある日、若い女性が古い屋敷を買い取り、新しい生活を始めることにした。屋敷は長い間放置されており、薄暗くて不気味な雰囲気が漂っていた。しかし、彼女は新しい生活への期待に胸を膨らませていた。
数日後、女性は屋敷の地下室を探索していると、壁に奇妙な扉があることに気づいた。その扉は見たことのないデザインで、古い鍵穴がついていた。好奇心に駆られた彼女は、屋敷中を探し回り、ついに古びた鍵を見つけた。
鍵を差し込んで扉を開けると、そこには暗くて長い廊下が続いていた。廊下の奥からはかすかな囁き声が聞こえたが、彼女は恐る恐る進んでいった。廊下を進むうちに、周囲の景色が変わり、まるで別の世界に迷い込んだかのような感覚に囚われた。
突き当たりにたどり着くと、そこには巨大な鏡が立っていた。鏡の中には、自分自身の姿が映っていたが、その背後には無数の影が蠢いていた。突然、鏡の中の自分が不気味な笑みを浮かべたかと思うと、その笑顔がどんどん歪んでいった。
女性は恐怖に駆られながらも、後退りすることができず、鏡の中の影が現実の世界に侵入してくるのを見た。影たちは静かに彼女に近づき、取り囲んだ。彼女は叫び声を上げたが、誰も聞いてくれる者はいなかった。
翌日、女性の姿は屋敷から消え、その後も彼女の行方はわからないままだった。しかし、屋敷の中では夜になると不気味な囁き声が聞こえ、誰も近づくことができなくなったという。
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