ツイてる
投稿者:たち (33)
だーれーだ わーたーしーの かーばーんーを
ぬーすーんーだーやーつーはー
ガバっと顔を上げ、こちらに向かって大声で叫んでいる。
私達はあまりの恐怖でまた動けなくなり、小刻みに震えていた。
ゆっくり、一歩、一歩、こちらに近づいてくる。
「逃げるぞー」と私は叫び、敷地の外に向かって走り出すと他の連中も走り出し、全速力で入り口から出て、道路を走り続けた。
「やべー、苦しい…だけど、立ち止まれない…」
私はそう心の中で思いながら走った。
どこを走っているのなわからないが無我夢中で走り続けてると何かにつまずき転倒してしまった。他の連中が俺を抜いて走り去る。
「いてぇ…おーい、ちょっと、待っ」
タッ、タッ、タッ
後ろから何かが近づいてくる。
咄嗟に立ち上がり、足を引きずりながら走り出したが追いつかれるのは時間の問題…
しかし、足音だけは聞こえるが一向に追いついてこない。
「もう…ダメだ…走れない…」
立ち止まってしまった。
膝に手をかけ、ふと周りを見渡すと先程の工場の入り口に来ていた。
「えっ?ウソだろ…」
そう思っていると何者かに敷地内に押された。
思わず転倒し、立ち上がるとカバンが落ちていた場所に男性が立ってるのが見えた。
工場の近くから他の連中の叫び声が聞こえてきた。徐々に近づいてきたので入り口の方を見てると3人が必死に叫びながら走り去っていった。
「あいつら、気づいてない。こいつからは逃げれない。どうする…どうする…」
……に ……さん ……し
何かをぶつぶつ言っている。
3人の叫び声がまた少しずつ近づいてきて、入り口の前を通り過ぎると、
……ご
「こいつ!工場の周りを何周走ってるか数えてる…」
霊を見ると少し笑っていらように見えた。
「ヤバい、ヤバい…遊ばれてる…さっきの足音もそうか…」
私は足を引きずりながら、入り口を出た。
すると、微かに
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