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不思議体験

ようじぃさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

蝉小屋
短編 2026/06/13 19:01 26view

田舎に住んでいながら、俺は蝉に触れなかった。
コレには一個深いトラウマがある。

地元で1番高いT山ってのがある。
頂上では子供が遊んだりキャンプができそうな広場があって、子どもの頃、夏休みに爺ちゃんに連れてきてもらった。

頂上には山小屋があった。
山小屋というか2階建のログハウスに近い。
一階は車を停めるスペースになっていたので実際に使えるのは2階のみ。

広場に爺ちゃんが車を停めて、従兄弟と鬼ごっこしたりして遊んでた。そんな時、
「あの小屋には入らん方がいいぞ」
と爺ちゃんが車でタバコをふかしながら俺に言った。

そうなの?誰かの家なのかな?
行くなと言われたら行きたくなる。
足の速い従兄弟から逃げ隠れるべく、俺は山小屋の2階に駆け上がった。
意気揚々と山小屋の扉を開けた俺は絶句した。

蝉、蝉、蝉。

天井、床、壁一面におびただしい数のアブラゼミが張り付いていた。真夏の蒸した熱気が顔を掠める。
妙に生臭い湿気が俺を歓迎した。

外の蝉と共にワンワン鳴いてるやつ、抜け殻、力尽きてひっくり返ってるやつ、抜け殻、地面を這ってるやつ、抜け殻、死んでるのかどうかわからないやつ、抜け殻。

俺は訳がわからなかった。
その場で硬直していたんだと思う。従兄弟が俺を怒鳴りつける声がしたところまでは覚えてる。
その先の記憶はあんまりない。

先日航空写真で見てみたら、その山小屋は無くなっていた。基礎だけが残っていた。

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