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不思議体験

kanaさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

自慢してきた猫
短編 2024/12/14 07:34 1,854view
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「うわ・・・マジで耳たぶかよ・・・」断面には血の流れたような跡は見えなかった。
つまり、この耳が作り物でないとしたら、これは遺体からもぎ取られてきたものということになる。生きた人間のものなら血が流れ出ていただろうからだ。

ボクは警察に電話した。
警察車両がマンション前に集まり、現場検証が行われ、ボクは簡単な事情聴取を受けた。
さっき猫を放り投げた手で、顔を触ってしまったせいか、ボクはアレルギー反応が出て
目は真っ赤で涙が出るし、鼻水も止まらない。

そんなボクの姿をご近所の奥さんたちが遠巻きにしてヒソヒソ話をしている。
「い、いや! ボク犯人じゃないですから!!」叫んで弁明してみたものの、余計に怪しい。
奥さん方は逃げるように引っ込んでいった。・・・なんてこった。

警察もボクの見解と同じだったようで、付近の住宅をすぐに聞き取り調査し始めた。
猫の行動範囲はそれほど広くはない。この近所に報告されていない遺体があるはずだとにらんだようだ。それから1時間ほどした頃だろうか、警察に遺体発見の報が入った。
ウチのマンションからそれほど遠くないところにある古い住宅の一室で、一人住まいの老人の遺体が発見されたそうだ。

これは後から噂で聞いたのだが、そのお爺さんは猫好きで、野良猫に餌をやりながら、部屋の中にも出入り自由で猫を放し飼いにしていたらしい。
その中に、ボクの友達の猫もいたというわけだ。
そしてある日、お爺さんは病気かなにかで突然倒れて亡くなってしまったのだとか。
お爺さんの顔の一部には、猫たちに食べられた形跡があり、耳も鼻もなくなっていたそうだ。

「もしかしてあの猫、隙あらばボクのことも食べようと思ってたんじゃないだろうな」

それ以来、あの猫とは一度も会っていない。

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