心霊スポットに行った親友の話
投稿者:とくのしん (65)
「ユカリ、久しぶり。あんたにお願いがあって電話したんやけど」
久方ぶりに連絡を寄越したのは、ユカリの中学時代の友人エミである。ユカリとエミはバスケ部で仲良くなり、以来親友として付き合ってきた。高校は別々の進学先になったため別れてしまったが、それでも中学時代と変わらぬ付き合いを続けていた。
しかし高校2年生になった頃、エミはあまり評判の良くない連中とつるみだした。ユカリは再三注意したが、エミは聞く耳を持たなかった。ユカリはそんなエミに愛想をつかし、またエミはユカリを石頭と罵り、二人は仲互いをしてしまうことに。
それから2年・・・ユカリは大学生として、充実した毎日を送っていた。そんな矢先にエミから連絡が来たのである。
「エミ、どうしたん?久しぶりやな。どうかしたん?」
喧嘩別れしたとはいえ、元は親友である。蟠りなど当の昔に忘れていた。
「あんた心霊とか詳しかったんやん。お願いがあるんやけど聞いてもらえる?」
「別に詳しいわけやないけど・・・好きなだけやけど話聞くで」
「それがな・・・」
エミの話では、1ヵ月程前にとある心霊スポットに4人で訪れた。そこは県境の峠道にある廃病院である。山の中腹にひっそりと聳える廃病院は、かつて精神病院だったそうで10年程前に廃業している。精神病院ということもあってか、廃業する以前から心霊的な噂話が尽きなかったそうだ。また、廃業に至った経緯も理事長が狂って自殺したとか、職員や患者に多数行方不明者が出たとか、そんな噂話もあったという。
「エミ、そんなんとこ行ったん?あそこ昔からヤバイ言われてたやん」
「先輩が行こうゆうて行ったんやけど・・・」
「何?何?あんたなんか見たん?」
エミの話はこうだ。4階建ての朽ちた廃病院を探索中、3階の病棟を回っていたときに異変は起きた。階段付近のナースセンターを見て回っていると、ふと何かの音がしたという。エミが最初にそれに気づき、続いてコウタという先輩にもそれが聞こえた。しかし、何の音なのかよくわからない。次第に残り2人の耳にもそれは届いた。
4人は何の音なのかわからず、ただ身を潜めてじっと耳を澄ませていた。すると段々とその音が近く・・・はっきりと聞こえてくる。物音ではない、それは何かの・・・声。
それが“女の高笑い”だという事に気づいたとき、4人は恐怖のあまり全力でその場をあとにした、というのがエミの話である。
「うわぁめっちゃ怖いやん!そんなん聞いたん?」
「ホンマの話やで!女が笑ってたんよ!」
「ほんで?そのあとはどないなったん」
「・・・・・・んだ」
「エミ?」
「死んだ」
「え?」
「コウタ先輩もタツヤ先輩も、マキもみんな死んでもうた!」
「・・・死んだって・・・」
「次は私の番や!お願いユカリ!一緒にお祓い行ってや!お願いや!」
一度は付き合いを絶ったとはいえ、元は親友。困っているエミを放ってはおけないかった。かくしてユカリはエミのお祓いに同行することにした。
それから10日後、ユカリは久しぶりにエミと再会した。
シンプルな分、怖かったです(@_@)
↑コメントありがとうございます。怪談はやはりシンプルなのが一番怖いかもしれませんね。
9月も大賞受賞になりました。連続10ヵ月の受賞ですが、毎度嬉しく思います。
投票ありがとうございました。
とくのしん
とても怖いですね。宣伝になってしまいますが、私はひやなよと言います。まだ始めたばかりで、三作品しかありませんがぜひ読んでほしいと思います。宣伝申し訳ありません。
とても怖いですね
宣伝申し訳ありません。私はひやなよと言います。まだ始めたばかりで、三作品しかありませんがぜひ読んでほしいと思います。よろしくお願いします。ちなみに作品もとても怖く、ゾクゾクしました!
関西弁に違和感があります
怖かったです