色々忙しくて1年くらい帰れてなかったから、久しぶりの地元だった。
駅を出てレンタカーを借り、実家へ向かう。
小さい山奥の町なんだけど、どうも様子がおかしい。
たった1年しかたってないのに、近所の酒屋も八百屋も魚屋も、
土日の真昼間なのにシャッター閉めてる。
町に唯一1つだけあったコンビニも潰れてるし、畑も荒れ放題。
おかしいな、、と思いながらも車を走らせた。
家についてみると仰天。なんと実家も荒れ放題。
しばらく人が出入りしたような形跡もないし、
窓ガラスも割られていたり、車もべこべこ。
車で5分くらいのところに教祖の家があるので、急いで行ってみた。
ちなみに教祖の家は城を小さくしたみたいな3階建て、洋風でこじゃれた雰囲気がある。
両親や教祖は”本殿”って呼んでた。
すると、外まで信者がごった返しで、「オベリスク様~!!」とか騒いでた。
車からしばらく様子を見ていると、本殿のベランダから教祖と父親らしき人が出てきた。
信者も歓声を上げてオベリスク様~!!!と騒いでる。
車の窓を開けて教祖の話を聞くと、
「聞け!!!〇〇教徒よ!!!
今、彼にオベリスク様が宿ったのだ!!
望む者には信託を!富を!救いを与えよう!!!
この腐った世界をこの地からただすのだ!!!!!!」
父親は隣で、「ウゥー・・・ウ゛ゥゥゥゥゥウウウ゛・・・・」
と犬みたいにうなって、よだれだらだら目もがん開き。
こりゃやばいと思い車から降りると教祖が俺に気付き、
「オベリスク様の後継者だ!!
××(宗教での父の呼び方)の器が終われば彼の元へ降りるだろう!!!」
と叫び、信者たちが一斉にこっちを向き、歓声を上げた。
怖い怖いと思いながらも本殿に走り、中に入った。
中に入ると何かが腐ったような強烈な匂いがして、玄関に吐きまくった。
ゲロ鼻水涙まみれの服を脱いで鼻を覆って、ベランダに向かった。
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