わたしが小学3年生のときの話。
母と父は、わたしが小学2年生のころに離婚していて、
わたしは母に引き取られた。
両親が離婚するまで本当にあっという間で、子どもながらにとても驚いた。
離婚は、父の浮気が原因なのだけど、それまでは仲の良い夫婦だった。
毎朝、母は父に「行ってらっしゃい」のキスをして会社へ見送り、
父の帰りに合わせて、得意の手料理を振る舞った。
わたしが見る限り、何も問題がない仲良し家族だった。
そのころはとても幸せで、思い返すと、切なさと同時にあったかい気持ちにもなる…
子どもながらに、小さな悩みはあったけれど、
毎日遊んで、宿題して、ご飯食べて、テレビ見てお風呂入って寝る。
そんな繰り返しが、もうめちゃくちゃ楽しかった。。
離婚でそれが全て終わってしまった。
わたしが、小学校に入学した年の冬だった。
両親は毎晩のように言い争いをしていて、その度にわたしは自分の部屋に閉じこもって、それでも聞こえてくる口論に耳を澄ませていた。
ただ事ではないふたりの剣幕に、とにかく不安だった。
当時、口論の内容を聞いても、なんでふたりが喧嘩しているのか理解できていなかったけれど、ある晩に、知らない女性が家へ訪ねて来て、理解した。
そのとき玄関を開けたのがたまたまわたしで、母よりも少し若い、不安げな表情を浮かべた女性が青白い顔で立っていたのを覚えている。
今考えると、妻子ある人の家に、夜に訪ねてくるなんてその人も相当、切羽詰まっていたんだと思う…
同情する気はないけど。
父も母も穏やかではない様子で、たしかその女性は、うちへは上がらなかったと思う。
わたしは、また部屋へ逃げて、その日の記憶はそれ以外ない。
それから、わたしが2年生になった春には離婚していたので、今思い返しても本当にあっという間だった。
父は、浮気相手の女性と一緒になるみたいだったので、当たり前のようにわたしは母に引き取られ、それと同時に当時住んでいたアパートから、少し離れた別のアパートへ引っ越した。
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