熱中症
投稿者:ねこじろう (144)
長編
2024/08/02
07:33
16,741view
その日は朝からずっと猛暑だった。
会社からの帰りにとうとう歩道でめまいを起こした俺は電柱にもたれかかったまま、しばらくその場に佇んでいた。
それからようやく意識を取り戻すと缶コーラでも飲もうとコンビニに立ち寄る。
視界に入った店内は薄いピンクの霧に覆われたような奇妙な様相を呈している。
─ヤバいな、、まだ暑さで頭がいかれているようだ。
俺は店奥にあるドリンクコーナーでお目当ての缶コーラを手にしてから、レジカウンター前に立つ。
すると黄色いアフロヘアに白いマスクをした巨漢の男性店員が正面に立つと、焦点の合わない目でボソリと言う。
「温めますか?」
「は?」
俺は思わず聞き返した。
すると今度アフロ店員は苛ついた様子で繰り返す。
「あ、た、た、め、ま、す、か!?」
俺はカウンターに置いたキンキンに冷えた缶コーラをまず一瞥して、それから次に店員を見ると、
「い、、いえ、結構です」と恐々答えると早々に金を払い、逃げるように店を出た。
※※※※※※※※※※
それからはいつも通り、午後7時18分の地下鉄に乗る。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 55票
嫌ー!
コメントありがとうございます
━ねこじろう
臨場感ありますね。
,ありがとうございます
━ねこじろう
応援してます。
ありがとうございます
━ねこじろう