電車に乗るのは好きではない。なぜなら、必ずといっていいほど変な人に絡まれるからだ。
自意識過剰では?と思うかもしれないが、本当に不思議な話、私は変な人に好かれやすい体質だ。
前置きはこのぐらいにして、先日電車に乗ったときの体験を話そう。
改札をくぐり、電車に乗り込んだ私は運よく座席を確保した。路面電車で対面の席に座る人と目
が合うのが気まずいので俯いてスマホを触っていた。
それから二駅ほど過ぎ、3駅目で電車が止まりドアが開いた。すると、そこから低い声でブツブ
ツと何かを喋る声が聞こえた。
私は反射的に左をみた。するとそこには中年位の細い作業員が、何もいない方向ただ一点を
見つめて何かを訴えかけていた。
私は慌てて目をそらし、スマホに視線を移した。しかし、その方向からブツブツという声が聞こ
えるため、頭になにも入ってこない。挙句に、その声がだんだんと大きくなっていく。
思わず身がすくむ。しかし、その男性は私の前を通り過ぎ、電車の連結部の前のドアの前で
立ち止まり、こんどはドアに向かって何かを訴えていた。
まぁドアならいいかと思った矢先、また男性が動き始めた。右を見ることはできなかった。た
だ、視界に男性の足が見えていた。そして、私の前でその足が止まった。
今すぐ、逃げたしたいという思いと、ここで動いたらやばいのではという思いが交差する。まさ
しく、判断が遅かった。男は私に向かってなにかぶつぶつと訴えていた。近くで聞いても男が何
を言っているのか分からなかった・・・。
生きた心地がしなかった。何分経ったのかも分からない。しかし、いつのまにか次の駅についた
らしい。その駅につくと男はピタリと喋るのをやめ、降りて行ったため、ほっとした。
しかし、その男と思わぬところで再会する。別の県にある電車に乗った時のことだ。その男は
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