消えた両親とカルト教団
投稿者:イエティ (51)
短編
2021/03/18
10:37
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ベランダの前に広い部屋があって、そこに大きな魔法陣のようなものと、半ば腐りかけの母がいた。
母の肌には英語?で文字が刻まれており、両足には縛った跡があった。
一瞬か、5分か、1時間かわからないがそこで気を失った。
目覚めると、とにかく父だけでも助けなきゃ!!と思い、ベランダに走った。
ベランダに出ると父はいなかった。
教祖は「次期オベリスク様の器が参られた!!」とか騒いでる。
下を見ると、口から赤い泡を吹いてピクピクしてる父がいた。
そこで俺は完全に気を失った。
目が覚めると、俺はなぜか京都の病院にいた。
実を言うと目覚めた直後はショックからか一連の騒ぎが思い出せなくなっていた。
何をしてたっけ…
医者には「駅で倒れていた」とだけ言われた。
そこから1か月ほどして、何かの拍子に徐々に徐々に、全てを思い出した。
父と母の死は夢だったと、確かめるためまた帰郷した。
実家が、無い。
本殿も無い。
取り壊されたような跡があり、人も誰もいない。
完全に死んだ街になっていた。
警察に行き捜索願いを出そうと、一連の事件を話そうとしたが、
”〇〇教”と一言言っただけで無理やり追い返されてしまった。
あれから2年。
両親も教祖もあの宗教も何の手がかりもつかめない。
記憶通り死んでいたとしても、葬式も上げてやれない。
18年住んだ実家。優しい両親。返してくれよ。
せめて、お別れだけでも告げたかった。
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