【クリスマス特別編】サンタクロースの助手
投稿者:kana (210)
「オイ!! 人が話してる最中に飲むなよ~~~っ!!
それ飲むのが一番イイシーンだろ~~が~~!! 勝手に飲むな!!」
「うっさいジジイやなぁ、飲めと言ったり飲むなと言ったり・・・なんもならんぞ!?」
「そんなすぐ効くかい! O谷サンだって小学生でメジャーリーグに入ったんちゃうぞ!」
「うっ・・・なんか、体の中から元気が湧き上がってくるような・・・」
「おっ、さっそくキタか?」
「これは肉体疲労時や病中病後に効きそうだ・・・」
「栄養剤じゃあありません!!」
「う・・・ううう・・・」
「ほぅ、やっと本格的に効いてきたか?・・・いいか、残り4つ。・・・コイツには幸せになる権利がある・・・お前がそう思ったやつにそれを飲ませてやれ。それを飲むと人の考えてることや心の中がだんだん見えるようになる。そして未来も見えてくる。その力で、よーく人を見て選べ。もし見つからなかったら、見つかるまで旅でもしろ。なぁにおまえはもうラッキーの塊だ。行く先行く先で幸せな目に会うことになるじゃろう。(そして気付くんじゃ・・・本当の幸せはおのれだけが利を得る『利己』ではなく、他人に利を与える『利他』こそが答えなんだってな!!・・・ほほっ、ワシカッコイイ) じゃな、達者で暮らせ」
オレの意識が朦朧とする中、小汚いクソジジイは空中に浮いたかと思うとそのまま高速で天高く舞い上がってどこかへ飛んで行った。
オレはと言うと、恐ろしいくらいに頭の中がグルグルまわり・・・・・・
そうだ、走馬灯だ、生まれてからこれまでの人生をほんの一瞬の間にすべてもう一度グルグルと見直したのだ。(悪い事ばかりの人生だと悲観していたが、こうして思い起こすと良い事だっていっぱいあったじゃないか・・・なんでオレ、死のうとしたんだろ、バカだな)
オレは意識が飛んでぶっ倒れた。
・・・・・・
「センパイ! センパイ! 起きてください! こんなところで寝てたら風邪ひいちゃいますよ!」
オレはなんとなく聞き覚えのある女性の声で目を覚ました。
どれくらいぶっ倒れていたんだろう・・・12月の寒空にぶっ倒れて・・・この人に起こしてもらってなかったら今頃死んでいた所だ。まんまとあのジジイにだまされたのか?
「センパイ、なんでこんなところで寝てるんですか?酔ってるんですか?」
そう語りかける女の子を見て驚いた。同じ田舎の高校の、部活で可愛がっていた後輩だ。
あれからもう何年も経つというのに、すぐにわかった。
「あぁ・・・キミは・・・久しぶり」
「びっくりですよー、センパイ!こんなところで出会うなんて、
ほら、サっちゃんもご挨拶しなさい」
続きはあるのですか? ほっこりしました。期待してます。
↑kamaです。読んでいただきありがとうございます。
続きは、みなさんの想像の中で膨らんでいただければいいかな、と思ってます。
サンタが人にプレゼントするのも「利他」ってことなのかもですね。
みなさん幸せになりますように。
デスノートのラストではリュークがバカ笑いしながら空を飛び回ってたけど(実写映画版)
このお話ではラストでサンタがバカ笑いしながら空を飛び回ってそうだよね。
いいお話でした。
優しいサンタさんは、誰の心のなかにもいます。
Kana さん、お返事ありがとうございます。
主人公のオレが幸せになるように思ってみます。
このほっこりした気持ちはKanaさんからのちょっと早いクリスマスプレゼント
と思いました。
他の作品も楽しく読ませて頂いてます。応援してます。
主人公はラストの親子に幸せの種は飲ませなかったと思う。
だって結婚すれば済むことだし。
教会に行こうと誘うのも結婚式のメタファーだと思う。
↑皆様コメントありがとうございますkanaです。いろいろ楽しんでいただけて何よりです。
他作品も読んでいただいてありがとうございます。この作品はクリスマス用にと思って書いたんですが、投稿したの早すぎました??なんか最近奇々怪々さんの新規投稿が活況であっという間に流されて行きそうですw 本番のクリスマス当日にはもうtopページから消えてますねこりゃ。学生さんが冬休みだからですかね? 年末の休みはみなさんの作品をゆっくり全部見させてもらいまーす!
いい話すぎて全然怖くはありませんでした。
↑それはよかったです。世の中には怖い話はぜったいに聞かないという人が大勢いるので、そーゆー人たちにも安心して読んでいただければと思いますし、怪談は怖いばかりじゃないんだと、ファンのすそ野を広げられれば本望です。