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心霊

Mineさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

12年越しのサイコパス診断テスト
長編 2023/10/22 01:02 18,479view
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記憶の糸を手繰り寄せて行く。
そしてついに思い当たった時、全身に鳥肌が立った。

あの声は…間違いない。ハルカだ。

そして同時にあり得ないと理性が訴える。
だってハルカはとっくに死んでるからだ。
小6の時に。

その日は仕事にまるで手に付かず、あの頃の事をひたすら回想していた。

俺が小学6年生の時だ。

宿題を忘れたという理由で担任から放課後に教室のある3階の廊下の端から端までの清掃を言い付けられた。
罰を受けたのは俺ともう1人いて、それがハルカだった。

去年も同じクラスだったけど1度も隣の席になったことは無くて、だから今まで殆ど口を聞いた事もないけど、今は2人きりで清掃という状況だ。
そこでお互い無言というのはさすがに不自然だろう。
箒片手に担任の悪口とか部活の事とか友達の事とか、他愛もない雑談に花が咲く。

今まで口を聞かなかったのが不思議な程、ハルカとのお喋りは楽しかった。
気が合うってやつだろうか。

それから最近物騒な事件とか変な人が多いよね、って所に話が転がり、その流れでハルカが切り出してきた。

「ねえユキトはサイコパス診断テストって知ってる?」

「まあ、一応は。」

「じゃあ私がテストするから答えてみてよ。」

楽しそうに悪戯っぽく笑うハルカ。

「第一問。ある男の子がサッカーボールをプレゼントされましたがちっとも嬉しくありません。何故でしょう?」

有名な話だ。これくらいなら本やらネットやらにいくらでも転がっている。

「男の子に脚が無かったから、だろ?」

「おお〜正解!じゃあ次ね。……ある女の人が夫の葬式にきた夫の同僚に一目惚れした。後日、女は自分の子供を殺した。…何故でしょう?」

これも超有名なヤツだ。俺は難なく答える。

「子供の葬儀にまたその同僚に会えると思ったから。」

「また正解!ユキトってサイコパスの素質あるんじゃない?」

からかうようにケラケラ笑うハルカ。
それから改めて俺に向き直り、

「では第三問。ある女の子が毎日の様に母の再婚相手から虐待されてたの。ある晩、寝静まった頃を見計らって女の子はその男をナイフで刺して殺しちゃうんだけど、何故か実の母まで殺しちゃったの。何故でしょう?」

2/5
コメント(12)
  • 短編に纏めようと四苦八苦しましたがダメでした。(Mine)

    2023/10/22/01:11
  • あはは、わかりますよ。タイトル見た時短編かな?と思ったのにけっこう長かったので苦労したのかな?と思いました。

    2023/10/22/12:57
  • なんかこう、感動的なBGMを付けたくなるようなラストでしたね。

    2023/10/22/13:01
  • この作者さんやるねぇ
    久々に見る良い作品だ

    2023/10/23/09:18
  • 何だかジーンときて涙してしまいました。
    良いお話でした。

    2023/10/24/02:36
  • いいの読ませてもらった

    2023/10/26/00:13
  • 凄く良い。

    2023/10/26/02:47
  • 良きかな良きかな人の愛は哀しくも美しい

    2023/10/27/11:23
  • 目頭が熱くなりました
    きっと今後も見守ってくれていますよ
    今後の作者さまに幸多からんことを

    2023/10/27/13:27
  • 主人公は結局サイコパスかーい!というツッコミを掻っ攫ってくラスト、ええで

    2023/10/28/17:47
  • 表面的には感動なんだが。。
    化けて出るなら死んでもっと近い日付で対応出来なかったんかな。
    それなら子供の記憶って事に出来るし。
    24で出られたら気持ち悪くて次の恋にも行けないし。
    この女が結婚してくれる訳でもないんだろ?
    人生潰されてるような

    2023/11/13/12:48
  • こういうお話は いいですね。。怖い話でも、やはり魂と魂の 温もりのある交流があるお話の方が、後々まで心に残ります。
     またMine さんは、怖い話を通して、大抵 何か問題提起をされる方だと思います。今回は私の勘ぐりに過ぎないかも知れませんが、サイコパスというテーマを持って来られた様な気がしてなりません。私は、サイコパスも ある意味、弱者なのではないかなと思うのです。そういう脳を持って生まれて来たばっかりに、人を傷つけては受刑する…今の世に生まれて来たばかりに…何百年か何千年か先の世なら、また状況が違うかも知れないのに。。
     私がMine さんのお話に関心を持つ様になったのは、ある朗読者さんが、Mine さんのお話を よく朗読するからです(^_^)
     いつも厳しい事もコメントさせて頂き申し訳ないのですが、今回も(^_^)「この一言がなかったらなぁ」と思った事が1つだけ ありましたので、ご参考までに書かせて下さい。
     それは「“つまらない”事故」という言葉です。くも膜下出血は、もちろん頭を強く打つ事によって起こる場合(外傷性くも膜下出血)もあります。ただ、それは稀で、余程の事がない限り、死 にまで至る事はない様でして、また、外傷性の場合、死因を、くも膜下出血か、脳挫傷か特定するのは、MRI でも CTでも非常に難しいそうです。
     くも膜下出血では、8割~9割が脳動脈瘤の破裂による出血だそうです。つまり、くも膜下出血が先で、その為に意識を失うから倒れる、というのが一般的な順序だと思います。だから、このお話でも 私は「あ、くも膜下出血を起こしたから、意識を失って階段から足をすべらせたんだな」と最初は理解しました。
     ですから終わりの方で「つまらない事故」という言葉を聞いた時に愕然としました。仮に、不注意で足をすべらせた事が原因で、外傷性くも膜下出血という診断が下ったとしても、「くも膜下出血」という病気は、数ある病気の中でも、致死率が非常に高いトップクラスの重い病気です。決して“つまらない”ものではありません。
     実際 私は、母と 伯父(母の兄)を(脳動脈瘤の破裂による)くも膜下出血で亡くしていますし、従兄も同じ病気で 2回倒れています。
     また去年 亡くなった、私の別の叔父は、突然かなり派手な脳出血で倒れ、かなり評判の良い脳外科へ運んで頂きましたが、出血の範囲が広く、くも膜下出血の様な内因性のものか、打ち身による外傷性のものか、よく分からないとの事でした。

     これは誰にも言える事ですが、文章を朗読で聴くと特に、あれ?と気付く事が多くなります(^^;。。だから、なるべく一般的な順序を選んだ方が無難ではないかなと思った次第です。。

    2024/05/28/00:40

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