「オレんちの真向かいのウチがさぁ・・・なんか知らんけど、いっつもビショビショなんだよね・・・」
「あん??・・・なんだそれ」
同じ大学に通う友人と飲んでる最中に、そんな話が出た。
アパートに引っ越したばかりということで、一人暮らしはどうだとか、家賃はいくらだとか、そんな会話をしている時にだ。
今時、木造モルタル平屋建てのその家は、いつ見ても壁がじっとり濡れていているらしい。
「学校行くときや、深夜にコンビニに買い出しに行くときも、いつもその横通るんだけど、ビショビショなんだよ」
「で?なんでビショビショなんだよ」
「えっ、わかんないよ」
「わかんないのかーい!! オチなしかよ!!」
「オチなしだよ! 事実を言っただけだし~」
正直笑った。
その日はそんな感じでお開きとなった。
・・・・・・・・・・・・
後日そいつと大学で会ったとき、やけに暗い顔をしていたので声をかけてみた。
そしたら「オレ・・・また引っ越そうかな・・・」なんて神妙に言う。
オレはやつの話を聞いてやった。
「あのさ・・・ビショビショの家があるって言ったじゃん」
「ああ、うん、なんか進展あったの?」
「この間さ、やっと洗濯機が届いてさ、ベランダに設置して初めて自宅で洗濯したんだよ」
「おお、これでやっとコインランドリー生活ともおさらばだ」
「そしたらさ・・・ウチのアパート、二階なんだけどさ、そのビショビショの家の小さい庭とか、中が少し見えるんだよね」
「ほぉ、で、のぞいて見たと」
「いや、のぞいてっていうか、真向かいだし、見えちゃうんだよ」
「そうか」
「でさ、その庭に古い洗濯機が置いてあってさ、女が洗濯してるんだよ」
「ふんふん」
「その女もさ、着てるものとかビショビショなのよ。頭から水かぶったみたいに」





























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