おたくまわり
投稿者:HOD (11)
『アレってなんだ?』と思いつつ父をチラッと見ると、
「そんなことは無理だ。母さんだぞ?絶対無理だ。どうしてやめるなんて言えるのだ?」と叔父へ喰ってかかりました。
「いや、俺が終わらせないと、次は子どもたちに継がせることになる。
大変なことを背負わせたくない。
お前だってそうだろう?」と叔父は父と私を交互に見ました。
何の話しか分からない私は、ぽかんとしていました。
父は私を見て、
「たしかに…。それもそうかもしれない。」と考え込んでしまいました。
私のも関係あるのかな?なんだろう。と不安になりました。
お通夜が済み、葬儀も終え、お膳の席で叔父が昨日説明したように集まった祖母にゆかりのある人たちに伝えました。
子どもだった私は、お膳の時は奥の部屋で仕出し弁当を食べるように言われたので、アレの正式な言い方を聞くことはできませんでしたが、親せきたちが、どよめき、一気に不穏な空気が漂ったことを感じ取りました。
「亡くなった姉さんが可哀想。」や、
「あんなに信心深い人だったのに。」と祖母のことを想って嘆く声ばかりでした。
それども叔父はきっぱりと
「では次は忌明けの時によろしくお願いいたします。
また、○○○目はしないことを隣近所の方にどうぞお伝えください。」と宣言し、
結びの言葉を纏めました。
その日からです。
私の夢で死んだ祖父が泣きながらこちらをみてくるのです。
祖父は私が小学校2年生の時に亡くなり、一度も夢に見たことはありませんでした。
また、母も夢で誰かが泣いているけれど、声をかけると目が覚めちゃって誰だかわからないのよね。
でも、もう毎晩見るから気になるわと言いました。
叔父がアレをしないといったことが関係しているのか、父は葬儀の日に一緒にこちらへ戻ってから、田舎へ週1回行くこともなくなり、ずっと一緒にいました。
ところが、父は夢を見ないそうなのです。
そのうち私は夢の中の祖父が口を動かしていることに気づきました。
気づいた口の動きからそれを文字に書きとめることにしました。
「う」 「せ」 「ど」 「ら」 「う」 「い」 「な」 「ん」 「し」
書きとめた文字を並べかえると、
「うらない、どうし、せん」と少し言葉のように思えてきました。
祖母が亡くなって2週間が過ぎました。父に話してみると、父はハッと表情を変え、叔父へ電話しました。
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