帰省と墓まいり
投稿者:HOD (11)
私は小学生の頃によく母の実家に遊びに行っていました。
それも、1週間や数日でなく、夏休み中ずっと、という感じでした。
子どもだったので、特に何も思っていませんでした。
これだけ長く帰省するのが珍しい、と気づいたのは大人になってからでした。
父と母は半ば駆け落ちのような形で結婚しており、帰省、と言っても私と兄の2人で、母はお盆の数日合流するだけでした。
兄とはいえ、まだ中学生でした。中学生と小学生の2人で、片道3時間ほどかけて、バスと電車を乗り継ぎました。
祖父母宅の最寄駅には叔母夫婦が迎えに来てくれており、そこでようやく兄は安堵した、と大人になってから聞きました。
祖父は母の結婚を反対し続けており、私たち孫とも交流は避け、たまに話すと厳しい話が多かったと思います。
何分、子どもだったので、怖い、というざっくりとした感情しか残っていません。話の細かいところは覚えていません。
祖母は口は悪くも可愛がってくれたと思います。
そんなある年、祖父が病気で他界しました。
祖父との思い出はほとんどなく、他界した、と聞いてもピンときませんでした。
祖父が他界して以来、田舎へ長期の帰省はなくなりました。
1週間ほどの帰省になったのです。
さらに、祖母が倒れ、他界すると日帰りの帰省となりました。
さらに10年ほど経ち、兄も私もそれぞれ結婚し、母は日帰りでお墓参りに行く頻度が減りました。
はっきりと疎遠になっていたのです。
私が子どもを授かり、突如、母が夢に母(祖母)が出てきて笑ってた、と言いました。
特に気に留めていなかったのですが、子どもが5歳になり、今度は私が夢で祖母を見ました。
生まれて初めてでした。
さらに、その一ヶ月後には祖父も夢に見たのです。もちろんこちらも生まれて初めてでした。
1ヶ月違いなのですが、夢の内容はどちらも同じで、見たことがあるようなないような田舎道を案内されて、畑で採れた野菜を次々ともらう夢でした。不思議に思い、母に話すと、母も同じ夢を以前見た、と言います。
そこで、田舎に久しぶりに行ってみようか、という話しになりました。
色んなスケジュールが重なり、秋の連休のその時しか休みが取れず、数日前に連絡したにもかかわらず、叔母夫婦は快諾。
子どもたちを連れ、訪れると、開口一番、今日が何の日か知ってる?と。え?さぁ?と言うと、じいちゃんの命日だよ、とニコニコ。
さらに、私が祖父母を夢に見た話をすると、祖母の夢は、祖母の命日、祖父の夢は月命日だったそうで、同じように叔母夫婦も夢に見ていたらしく、私が連絡した時にピンと来たそうです。
それから、疎遠だった母と叔母は自然と打ち解け、また私の息子と叔父がなぜか意気投合し、再び泊まりで来るようになりました。
疎遠になっていた母と叔母のことを心配した祖父母が見せた夢だったのかな、と今では思います。
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