そして、近所の人たちとも少しずつ親しくなってきた、引っ越してから約1年後のことだった。
母が、興奮気味に私へ話しかけてきた。
「あそこの赤い家の両隣の一軒家、無人なんだって……」
「え?」
「赤い家の裏側も無人。空き家らしいのよ」
つまり、赤い屋根の家を中心に、両隣と裏側の家。
合わせて4軒が、空き家だった。
そして、それをきっかけに、赤い家について少しずつ詳しい話が耳に入ってくるようになった。
最初に住んでいたのは、若い夫婦だったらしい。
奥さんは黒髪で清楚な、美人の妊婦。
旦那さんも優しそうな人で、二人は幸せそうな新婚夫婦だったという。
ところが、住み始めてしばらくすると、奥さんが夜に徘徊するようになった。
近所の人たちも何度もその姿を目撃していたらしい。
声をかけると、奥さんはこう答えたという。
「旦那が夜勤だから家にいないの。一人で家にいたくない……」
大きなお腹を抱えながら、夜の道をトボトボと歩き続ける。
昼間は旦那さんが家にいるからなのか、徘徊する姿を見かけることはなかったという。
そして、住み始めて約3か月後。
奥さんは、家の階段から転落して亡くなった。
お腹の中にいた赤ちゃんも、一緒だった。
しばらくして、旦那さんは半狂乱になったという。
そして、家財道具をすべて残したまま、その家を出ていった。
その後、また新しい夫婦が引っ越してきた。
家財道具がそのまま残されていたのかどうかは分からない。
しかし、その夫婦にも奇妙なことが起こり始めた。
しばらくすると、今度は新しい奥さんが、
「赤ちゃんの泣き声が聞こえる」
と言い始めたという。
夜になると、どこからともなく赤ちゃんの泣き声が聞こえる。
























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