最初にその写真を見たときは、配達員さんが間違えて別の家に置いたのだと思った。
平日の午後2時過ぎ。
仕事中、スマホに通販アプリから通知が届いた。
「配達が完了しました」
昨日注文した洗剤だった。
置き配を指定していたので、いつものように配達完了の写真が添付されている。
玄関ドアの前に、段ボール箱が1つ。
部屋番号も合っている。
間違いなく私の家だった。
でも。
写真の端に、人が写っていた。
玄関脇にある銀色のメーターボックス。
その扉に、撮影した配達員の姿がぼんやり反射している。
そして、そのすぐ後ろ。
女が立っていた。
長い髪。
白いTシャツ。
紺色のスウェット。
顔はスマホに隠れてよく見えない。
だけど、その服を私は知っていた。
というより、
私の服だった。
昨夜寝るときに着ていたものとまったく同じだった。
私は思わず自分の格好を見た。
ブラウスに黒いパンツ。
当たり前だ。
私は今、会社にいる。
自宅までは電車で40分かかる。
写真を拡大した。
画質が荒くなる。
女は配達員のすぐ後ろに立っている。
距離にして、1メートルもない。
なのに、配達員は気づいていないようだった。
私は気味が悪くなって同僚に写真を見せた。
「これ人?」
「でしょ?」
「うーん……反射じゃない?」
「何の?」
「知らんけど」
笑われた。
私も、そのときはそういうことにした。
光の加減で、たまたま人の形に見えただけ。
服が似ていると思ったのも、私がそう見ようとしているからだ。
そう思うことにした。



























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