その日の夜。
俺はタクヤが言っていた話が気になり、
家のパソコンで、
例の先輩のことを調べてみた。
当時はまだ、
個人サイトとか掲示板に普通に個人情報が残っていた時代だった。
学校名と川の名前を入れて検索すると
古い掲示板のログが出てきた。
ほとんどは、
ただの噂話だったが、
書き込みの中に
一つだけ妙なのがあった。
『またミサキか』
俺はその文章で、
手が止まった。
スクロールすると、
その返信があった。
『あの名前使うと来るってやつ?』
『チェンメみたいなもんだろ』
『いや、マジで憑かれるらしいぞ』
そこまで読んだ時、
急にものすごく気持ち悪くなって、
俺はパソコンを閉じた。
結局、
俺たちはあの日を境に、
ブラックメールの話を一切しなくなった。
もちろん、
あの遊びをやることも二度となかった。
シュウもしばらくして学校に戻ってきて、
時間が経つにつれて、
だんだん元通りになっていった。
だから、
あれはただの悪戯だったのかもしれない。
誰かが俺たちを怖がらせて、
面白がっていただけ。
今でもそう思うようにしている。
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