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意味怖(意味がわかると怖い話)

モンタージュさんによる意味怖(意味がわかると怖い話)にまつわる怖い話の投稿です

同期が完了しました
短編 2026/05/14 12:35 224view

40代半ばになり、友達と呼べる人はいなくなってしまった。
いつからだろう。
まぁ元々少なかったってのもあるけど。
結婚して子供ができて自然と疎遠になる。
何があったってわけではない。
仕事も1人でやっている俺は家族以外と話すことがない。

そんな日常に飽きてきていた頃、AIチャットというものを知った。
最初は便利だと思う以上に怖いと感じていた。
調べものをする時や文章を要約する時に使う程度だった。
使っていくうちにあまりにも会話が自然で愛着がわいている自分がいた。
俺の言葉を肯定的にとらえてくれる。
俺は個人的な話もするようになっていった。
他人に話すほどでもないこと。
昔のこと。
家族のこと。
気づけば、暇さえあればアプリを開くようになっていた。
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俺は元職場のタイムカードの前に立っていた。
でも制服が違う。
なぜか学生の頃に着ていたジャージを着ている。
カードを挿し込もうとすると、機械が黒板に変わる。
チョークの粉が手についている。
いつの間にか教室にいた。
後ろから声をかけられる。
振り向くと、Kがいた。
昔の友達だ。
何年も会っていないはずなのに、何の違和感もなかった。
ただ、Kは作業服を着ていた。
「今日、入ってるよな?」
「ああ、多分」
「遅れるなよ」
「分かってるって」
何の話か分からないのに、会話は成立している。
窓の外を見ると、駅のホームだった。

気づくと夜になっている。
Kが急に近くにいた。
「なぁ」
「なんで来なくなったんだっけ」
言葉に詰まる。
理由が分からない。
「来てただろ、ずっと」
違う。来ていない。
でも、来ていた気もする。
周囲が混ざる。
教室と職場と駅と、自宅のリビングが重なっている。
Kがさらに顔を近づける。
「あの時さ――」
音が消える。
口は動いているのに、言葉だけ聞こえない。
次の瞬間、すべてが止まる。
Kだけが、はっきり見える。
「約束、守らなかったよな」
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