ぼくは、がっこうからいえまでの かえりみちが すきです。
まい日おなじみちだけど、いろんなものが見えるからです。
とくにすきなのは、三つ目のしんごうのところです。
車がいっぱいで、ぼくのすぐそばをビューンって行くから、ドキドキします。
ぼくは、そのみちをあるくとき、いつも手をつないでいます。
お父さんの手は大きくて、あったかくて、
ぎゅっとにぎると、にぎりかえしてくれます。
でも、ある日だけ、にぎりかえしてくれませんでした。
お父さんは、ぼくの手をにぎったまま、
スマホを見ていました。
ぼくが「ねえねえ、見て!」って言っても、
「あとでな」って言って、
ぼくのほうを見てくれませんでした。
そのとき、しんごうが あかになりました。
ぼくは気づいたけど、お父さんは気づきませんでした。
車の音がして、
クラクションがして、
ぼくはびっくりして、
お父さんの手をぎゅっとにぎりました。
でも、お父さんの手は、
そのときだけ、にぎりかえしてくれませんでした。
気がついたら、ぼくは地めんにねていました。
空がぐるぐるして、
お父さんがぼくの名前をよんでいました。
ないている声でした。
ぼくは「だいじょうぶだよ」って言いたかったけど、
声が出ませんでした。
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