歓楽街にあるコンビニのトイレ
投稿者:黒いうさぎ (4)
僕が大阪の歓楽街の酒屋でバイトしていた頃の話です。
居酒屋や夜のお店をまわってお酒を配達するバイトなんですが、正月前の繁忙になると結構時間に余裕がなくなります。
元々おなかが弱い上に一月の寒空の下、案の定配達の途中トイレに行きたくなりました。いつもだと一旦店に帰って済ますんですがそんな時間もなく、仕方なく近くにあるコンビニのトイレを借りることにしたんです。
店員に一言かけてトイレに向かうと、ドアの前に順番待ちらしい人が2人立っていました。1人は年配のサラリーマン風と、もう1人はいかにも夜の街が似合いそうな派手なジャケットを着た金髪のお兄さん。
急いでんのになあ、なんて思いながらも、近くにコンビニもないし、渋々その列に並ぶことにしました。
しかし、焦る気持ちを無視するように今入ってる人が待てども待てども全然出てこないんです。
10分ほど待ったでしょうか。金髪のお兄さんが痺れを切らしてドアを強めにノックしながら怒鳴りました。
「おーい!寝てんのか!?待ってるんですけどぉ!」
するとドアの向こう側からなにやらガサガサっという物音と、クスクス笑うような声が聞こえました。
酔っ払いが寝てたのかなあ、やっと出てきてくれるかあ、と思って安堵していると、また3分経ち5分経ち…また出てくる様子がありません。しかも耳を澄ますと、ドアの向こうの人物は先ほどより大きな声で、激しく笑い転げてるかのようにゲラゲラと声を出して笑っているんです。可笑しくてたまらないというようにトイレの床をダンッダンッと大きな音で踏み鳴らしてすらいるんです。
ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ ガサガサッ ヒヒヒヒヒ
ダン!ダン!ダン! ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ ダン!ダン!ダン!フハッフハッ
尋常じゃない物音に、僕は内心気味が悪くなってきました。酔っ払いであれ異常者であれ、ドアの中の人物は、まともじゃない。隣にいた中年サラリーマンも睨みつけるようにドアを凝視しています。僕もまたお腹が痛いのも忘れてドアから目が離せずにいました。
さすがに金髪も僕と同じ心持ちだったようで、しばらく息を呑んで見守っているようでしたが、やがて目の前の不気味な声を打ち消すように店員に荒々しく声をかけました。
「おい!こいつクスリでもやってんじゃねえのか!もう30分近いぞ!」
店員が急いで走ってきて僕ら3人から事情を聞くと、裏からマスターキーらしき鍵束を持ってきました。その頃にはもう店中のお客が何の騒ぎかとこちらに注目しています。
「お客様ー?体調不良でしょうか?開けますねー」
店員が声をかけながらカギをガチャリとあけました。横開きのドアをすーっとあけて中を覗くと、閉まった便座の蓋の上に、汚れた小さなぬいぐるみが置いてありました。すこしくたびれた、ひと昔前のキャラクターものの。
もちろん窓なんてありません。その場にいる全員、言葉を失いました。
ちょ、チョッパー…
おいおい お腹くだして30分我慢できるかい
そっちのが怖いわ
お腹壊してるのに30分も我慢できん…
30分待ったのは金髪のお兄さんでしょ。
これ書いた人は15分くらいじゃない?と思いながら読んでる。
15分でもキツイには違いないけどね。
ぬいぐるみ誰が置いたのかしら?そっちの方が気になる…。
配達の途中にコンビニのトイレで15分、しかも2人待ちの状況で更に待つ気なのか
確かに
めっちゃ長い時間トイレ待ってる配達の人想像したら笑える。
とたんに怖くない話になった
みんな我慢強いな!
俺なら別のコンビニへ行くな。
腹を下して3番目なんてあり得んわ。
なかなか怖いけど自宅で催しているときに人形にトイレで立て籠もられることがもしあったらと想像したらさらに恐怖が増した
もう一生そのトイレ入れんわ
喋るぬいぐるみ?
くだり腹は我慢できません!辛いです!早くでて来い!
ファービーかな?
金髪のお兄ちゃん、ズボン後ろも金色に染まっちゃったかな。
大阪ってコンビニ少ないの?
最後三人とも漏らしましたとかだったら面白かった
お腹痛いのに3番目なんて他のどんな恐怖も吹っ飛ぶくらい怖いわ。お腹PPにとっての考え得る最大の恐怖はトイレにありつけないことだし。