僕はMの消えゆく目をただ見つめることしかできなかった。
同じように、Mも僕を見つめてはいたが、もう何も言葉は聞こえなかった。
僕はここで、お互いの気持ちにやっと今気が付いたのだ。
Mが嘘をついてまで僕と同じ高校を受験していた理由さえも。
しばらくして、とうとうMの体は完全に消えてしまった。
僕は何か幻でも見ていたのではないかとしばらく呆然としていた。
ふと我に返ると、手にハンカチを持っていることに気が付いた。
ハンカチを両手で広げてみると、不意につむじ風が吹いてハンカチを空中へさらっていった。
思わず手を伸ばしたが、ほんの少し届かなかった。
ハンカチは空中で粉々になり、すぐに風の中へ溶けていった。
ベンチに座りなおしてコーヒーを飲み干すと、Mの母からLINEが入った。
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