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ヒトコワ

たちさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

おかえりなさい。ごはんにする?お風呂にする?それとも…
長編 2026/06/01 18:02 251view

彼女は変わらず、いつもルーティン。

「あ、ごはんはいいや。お腹空いたからコンビニでサンドイッチ食べてきた。お風呂も…明日の朝入るよ。もう遅いし、疲れたから寝たいな。」
と彼女に伝えた。

「ごはんはいらない。お風呂も入らない。じゃあ、残った、私のところに来るでいいのね。」

私は困惑した。
確かなごはんはいらない。お風呂も明日休みだから朝に入ればいい。確かに彼女のルーティンのセリフの中の選択肢では、私のところに来るとなるか…
でも、目の前にいるのに私のところに来るってなんだ?

私は改めて冷静に考えた。
しかし、答えがわかるはずもなく、
「そ、そうだね。」
と答えると彼女は今まで見せたことのないような満面の笑みで私に近づいてきた。
その瞬間。
プスっ
何か小さな針で刺されたような音がしたと思った瞬間から私の記憶はない。

私は目を覚ますと病室らしき場所のベットの上だった。
目で彼女を探すが見当たらない。

程なくして看護師が病室に入ってきたので、
「あ、あの私は…」
「目を覚まされましたね。3日間寝ていたんですよ。」
3日間?なぜ?彼女は?
看護師が続けて、
「月曜日の午後に会社の方がご自宅を訪れると玄関先で倒れていたので救急車を呼んで運ばれたんです。」
私の性格を理解している会社の同僚が無断欠勤したことを不思議に思い、電話をかけるが出ないので不審に思い、自宅まで様子を見に来てくれたそうだ。
「あ、あの、か、彼女は?」
と聞くと、
「彼女さん?いえ、今まではいらしていませんが…」
部屋にいるのかな?と思っていると、会社の同僚達が丁度見舞いに来てくれた。
「お、目を覚ましたんだ!よかったよ。」
「本当だ。いやー、ビックリしたぞ。」
見慣れた人達の声を聞き少し安堵した私は、
「ありがとうな。本当に助かったよ。」
感謝の気持ちを伝えていると、

「いや、いいよ!お前が無断欠勤して、連絡も取れないなんてありえないからな。何かあったと思うのが普通だろ。
ただ、お前、プライベートではかなりヤバいんだな笑」
ヤバい?何が?彼女のことか?
「何が?」と聞くと、
「何って笑。お前の部屋、ゴミ屋敷じゃん!あれはヤバいぞ!退院したら掃除くらいしろよな笑」
は?ゴミ屋敷?そんなはずない。
部屋は仕事中に彼女が毎日掃除してくれているし、ゴミも溜めているはずない。
「そんなはずは…か、彼女が部屋をきれいに…」
「彼女〜?笑。夢でも見てるのか?笑。」
何がなんだか理解できなかった。
そして、同僚達が帰ってから身体の異変に気付いた。
よくよく見ると左手が包帯で巻かれていた。
看護師に聞くと。
「左手の薬指が切断されています。」
そう言われてみると確かに感覚がないような気がする。
退院の日が近づくと包帯も徐々に取れていき、完全に包帯を取ると薬指が無くなっていた。

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