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妖怪・風習・伝奇

プルプル布顚🍮さんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

また、あの神社を探して
長編 2026/05/23 12:03 70view

終 五 化生の者か、魔性の者か、

 昔、とある村で起きた話。
 一人の子供が山で土砂崩れに遭い、亡くなった。その子供の名が「渕辺 組彦」。組彦には、幼い頃から未来に起こる事を予知し悪い未来の出来事を変える「渕覘き」という力があった。その為、組彦は村で重宝されていた。だから亡くなった時、近くに神社が建てられたのだ。
 だが、その翌年。村の農作物がどれも枯れ、村は飢饉に陥った。少しずつ村の人口は減っていった。村の者達は、「組彦の祟りだ」と言って恐れた。そして、組彦の祀られている神社———渕覘社󠄁———に御供物を捧げた。それは、野菜などの食材ではなく、「子供」だった。その子供を選ぶ時に始めたのが「覘き唄」だった。実は組彦が亡くなった後、組彦の服を入れていた箪笥に「覘き唄」の歌詞が書かれた紙切れが見つかったのだ。というのも元々組彦には三つ年上の姉・佳代と二つ年下の弟・明日政が居た。そして姉の佳代が鬼をやり、村の子供の中から御供物を選び出したのだ。
 すると、村では何事も無かったかのように農作物が採れるようになった。それから毎年、組彦の命日には御供物を捧げるようになり、村は栄えていった。
 だが、それも長くは続かなかった。何故なら佳代が渕覘社󠄁の階の下で亡くなっていたからだ。どうやら階で足を滑らし頭から落ちていったようだった。その後すぐに大雨によって土砂崩れが多発し村は消えてしまった。その村は山に囲まれた小さな村だった。
 だが、明日政は運良くその時村には居なかった。現在、明日政の子孫はまだどこかに居るらしい。
 そして稀に、あの消えた村に迷い込む者が居るという。迷い込んだ者は皆、赤い着物に狐の面を着けた少女を見ているそうだ。その少女は魔物か、狐狸妖怪か、謎である。
 あと、迷い込んだ者は、帰ってこれたとしてもまた、あの村・神社へ帰ろうとするらしい。
 
また、あの神社、村を探して。

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