今日、人を殺したから話を聞いて欲しい。
殺したといっても、呪いなんだけど。
俺の村ではめちゃくちゃ昔から、毎年ひとり、誰かがお地蔵様で殴り殺されていたんだ。
そのお地蔵様も30cmくらいのやつ。
6体並んでるけど、決まって左端の変色したお地蔵様――村では撲殺地蔵って呼ばれてるやつが使われた。
使ったあとはちゃんと元の場所に戻されていたらしい。
で、昔の人はお地蔵様の呪いだと考えた。
お地蔵様が誰かを殺したがっているってね。
だから、毎年誰かを選んで殺すことにしたんだよ。
それからは平和だったらしい。
ところが、10年前に村長が変わって、そんな野蛮な風習は辞めるべきと言い出した。
でも、何もしないのは角が立つから、お地蔵様を使って殺すふりをすることになった。
そのあと、お供えをしてお祭りをして、そこからは誰も死ぬことがなくて退屈になったんだ。
――5年間は。
今からちょうど5年前、例年と同じようにお祭りをやろうとしてたんだけど、反対派ってのはいるわけよ。
それが人道的に反してても、村の伝統は守るべきだとかなんとか。
言い争いが喧嘩になったかと思うと、あっという間に村長を含む6人がお地蔵様で殴り殺された。
周りに人はいたけど、誰も止めなかった。
だって、お地蔵様の呪いなんだから、止めるなんて怖いだろ?
結局、誰も殴り殺されなかった5年分をまとめて精算した計算になる。
仏の顔も三度っていうけど、それを考えるとうちのお地蔵様はかなり温厚だったのかもしれない。
その翌年から、またひとりを選んで殺すことになった。
でも、その翌年はあと5人殺された。
わかる?
あの事件で6体とも撲殺地蔵になったんだよ。
呪いだからしょうがないよな。
そんなわけで、俺は気に食わない生意気なやつを撲殺地蔵で殴り殺したんだけど、呪いのせいだから悪くないんだよ。
ところでさ、来年から俺の村で夏祭りを復活させることになったんだ。
特等席を用意するから来てみないか?
酒も料理もよりどりみどりだ。























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