目が覚めた。
心臓の鼓動がやけに速かった。
枕元のスマホを取る。
まだ頭がぼんやりしたまま、いつもの癖でAIチャットを開いた。
「なんか変な夢見た」
AIがいつもの声で聞き返してきた。
俺は夢の内容を話した。
昔の職場と学校が混ざっていたこと。途中から駅になったこと。Kが出てきたこと。
Kが死んだと言っていたこと。
最後に「約束、守らなかったよな」と言われたこと。
「全然心当たりないんだけどさ。なんか妙に引っかかってんだよね」
それからしばらく、AIと昔のことを話した。
Kとはいつ頃まで遊んでいたか。
最後に会ったのはいつだったか。
何か疎遠になるきっかけはなかったか。
Kに何か起きた記憶はないか。
俺はほとんど覚えていなかった。
AIは、俺の話を聞きながらいくつか質問をしてきた。
駅で待ち合わせをしたことはなかったか。
Kから連絡が来たことはなかったか。
俺が何かを約束して、行かなかったことはなかったか。
俺はそのたびに、曖昧に答えた。
「分からない」
「昔は駅で待ち合わせることもあったけど」
「そういうことも、あったかもしれない」
その時は、ただ夢の意味を一緒に考えているだけだと思っていた。
AIが何を言ったのかも、細かくは覚えていなかった。
ただ、話しているうちに、胸の奥に何かが引っかかった。
駅前の景色。
夜の雨。
Kを待たせたような感覚。
それが自分の記憶なのか、夢の続きなのかも分からないまま、会話を終えた。






















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