陽キャなドッペルゲンガー

アキ「ねぇ誰なのその人！？？ユキト君離れて！！！」
トウヤ「おい誰だテメェ！！許さねぇぞ！！！」

この罵声は俺に向けられているものだ。
俺は今どんな風に見えているんだろう・・・・。
蹴られた部分が痛む・・・が走れる。俺は逃げた。

どこに逃げれば良いのか分からない。とりあえずさっきのマンガ喫茶に逃げ込んだ。

俺「あの！さっき利用してた者なんですが！１時間良いですか！？」
店員「先程・・・ですか？」

と怪訝そうな顔で俺を見る。

そうか・・・偽物に顔を取られたんだったな・・・という事は、顔写真付きの身分証明書は使えない。

俺「・・・・ごめんなさい！何でもないです！！」

マンガ喫茶を後にし、特に当てもなくフラフラと公園に辿り着き、ベンチに座った。
少ししてからトイレに行き鏡を見ると、俺の顔が「のっぺらぼう」になっていた。
「完全敗北」・・・今の俺にお似合いの言葉だった。

有り金４０００円で、コンビニで酒をを買えるだけ買い、公園に戻って飲んだ。
最後の晩餐ってヤツだな・・・。
ベンチで横になり朝を待つことにした。

翌朝、俺は町の図書館に足を運んだ。

酒臭いし、風呂にも入ってないから浮浪者にでも見えている事だろう。

この図書館には、パソコンが使えるフリースペースが有る。
昨日マンガ喫茶で今回の事を誰かに伝えたかったけど、入れなかったからね・・・。

さて俺が最期に言いたいのは、

「俺が豊田ユキトだ！！」
「俺が生きた２５年間は俺だけの物だ！！」

これまでの人生に悔いが無いと言えば嘘になるが・・・そろそろ終わりにしようか。

皆も、もし同じような事が起こったら、大切な家族や友人に助けを求めて保護してもらう事をおススメする。
・・・・・・・・・・・・俺みたいに全部乗っ取られてしまう前に。

長くなってしまい申し訳ないね・・・聞いてくれてありがとう。

さよなら